戦争の時代を思い出にするには救いが必要
12月8日、真珠湾攻撃による78回目の日米開戦の日でした。
日本中の都市が焼け野原にされ沖縄では惨たんたる地上戦。
人類史上初めて広島と長崎に原爆が落とされました。
1945年8月15日の終戦。
この時代に生きた人たちには忘れられない過去として胸に刻まれているはずです。
実際に戦争を体験した方は超少数派となってます。
私の母親は101歳ですので23歳でした。
ひとり息子の長男が出征し実家の山林を守るのに大わらわだったようです。
戦争に負け涙を流した一方でほっとしたと語っていました。
NHKEテレの「心の時代~可愛い民藝救いの美~」ではっとさせられる場面がありました。
話し手は富山県南砺市のとある寺院の僧侶です。
高齢の男性が仏様の前で告白しました。
中国大陸で残虐行為を行ったことを仏様に報告し詫びました。
中島みゆきさんの珠玉の名曲「時代」。
今はこんなに悲しくて 涙も枯れ果てて みう二度と笑顔にはなれそうもないけど
そんな時代もあったねと いつか話せる日が来るわ
あんな時代もあったねと いつか笑って過ごせるわ
だから今日はくよくよしないで 今日の風に吹かれましょう
苦しい過去を持っている場合には簡単ではありません。
救いが必要です。
神仏にすがることで安心が得られました。
神仏が持つ本当の力です。
元兵士は進んで虐殺を働いたはずはありません。
上官の命令で逆らうことはできません。
そうであっても無抵抗の民を殺めた事実は消せません。
その苦しみと向き合い続けてきました。
平穏に「今日の風に吹かれる」ことができるためには救いが不可欠でした。
仏様に告白し戦争の時代はようやく終わりました。
過ぎ去った過去であっても戦争の時代を終わらせるのは容易ではありません。
新たな戦争の時代を生産し続けている現代世界。
過去として語れるようになるのには途方もない時間が必要です。
早く止めれば救済に必要な時間はそれだけ少なく済みます。
人類が試されてます。