稀代の壊し屋、小沢一郎論
小沢一郎さんが意気軒昂です。
立民党の泉代表をこき下ろしました。
「泉氏だったらまたダメで沈没ではないか。」とまで言い放ちました。
82歳となった今も体制攻撃で存在感をアピールしてます。
小沢さんがメディアの注目を引く発言をしているのには背景があると見ます。
選挙事情です。
小沢さんは2021年10月の衆院選で小選挙区岩手3区で敗れました。
当選18回にして初の屈辱です。
都知事選で蓮舫さんが惨敗したタイミングで矢を放ちました。
執行部批判をしても許されると判断したのだと思います。
小沢さんらしい合理的な振る舞いだと思います。
自らの目的遂行のためには同志であっても攻撃対象となります。
1993年8月の細川連立政権樹立、2009年9月の民主党政権樹立。
小沢さんの剛腕が政局の中心でした。
新体制はいつも混乱します。
壊すことにかけては天下一品ですが体制持続は苦手です。
今回も泉体制を壊すことで存在感を得ようと狙っているように見えます。
壊すこと自体が目的になってしまう恐れがあります。
今回の場合、政治的眼力があれば小沢さんの真意は透けて見えます。
かつての権力基盤はなく剛腕を振るいたくても振るえません。
過激な言葉だけが余計に目立ってしまう側面があります。
政治家として晩節を汚すことになりかねません。
小沢さんには合理性はあっても愛はありません。
目的を実現するためには同志もコマですので本当の信頼感は生まれにくいです。
小沢さんに愛があれば泉代表が苦境の時に叩きません。
平気でできるところが小沢さんらしさといえばらしさです。
最長老として泉代表に任期を全うすることに集中しろと激励するのが本来です。
党内の団結を促した方が存在感は増すと思います。
小沢さんは80歳を超えても破壊を追い求めます。
性(さが)か業(ごう)としか言いようがありません。
老成という言葉ととことん無縁の政治家です。
壊す対象が無くなれば最期は自分しかなくなります。