作家保坂正康さんからの警告
84年前の12月8日、日本軍は真珠湾攻撃を敢行し日米開戦に踏み切りました。
その日に照準を合わせた集いがありました。
衆議院議員の阿部知子さんの議員在職25周年記念パーティーです。
阿部さんには県知事選や衆参の議員選挙でお世話になった恩義がありますので参加させてもらいました。

集いのタイトルは「いのちを紡ぐ平和をつなぐ」でした。
阿部さんの出来立てのほやほやの著書のタイトルでした。
阿部さんのふたつのライフワークが象徴されている題名です。
いのちは小児科医である阿部さんの原点中の原点ですし平和は政治活動の中心です。
ゲスト講演会がありました。
昭和史に造詣の深い作家の保坂正康さんでした。
ふたつ印象に残る話がありました。
ひとつは軍部の増長を止められなかった近衛文麿総理のエピソードです。
近衛総理は痔の痛みに耐えきれず東条英機陸軍大臣の圧力に抗しきれなかったとのことです。
近衛、東条の両氏が向かい合って談判する時近衛総理は痔の痛みに気がとられてしまったのです。
貴族出身の総理のか弱さを物語る逸話です。
座布団を2重に敷いてその座布団に血がにじむぐらいの気概が欲しいものです。
もうひとつは真珠湾攻撃に熱狂したのは日本だけではなかったということです。
東条総理は真珠湾攻撃の成功でルーズベルト大統領が苦境に陥ると意気軒昂でした。
ぬか喜びでした。
奇襲攻撃はアメリカ国民の反日意識を一気に高め反転攻勢のきっかけになりました。
本格参戦を目論んでいたルーズベルト大統領にとっては真珠湾攻撃は好都合だったのです。
見方によれば日本ははめられたということになります。
危機に瀕し見栄えだけでリーダーを選ぶことは戦争への道につながる危険性があります。
国際政治は虚々実々の駆け引きのるつぼで戦争に引き込むわなも仕掛けられるということです。
このふたつの教訓を活かさないとなりません。
現代日本の政治に戦前から投げかかられた宿題であり続けています。

