エイヤー!で脱原発を決めた国、ドイツ。

昨日、東京・赤坂のドイツ文化会館で原発を考えるフォーラムがありました。主催は脱原発報道に力を入れている東京新聞です。講師は、ドイツ在住のジャーナリストの熊谷徹さんでした。

熊谷さんはNHKで私の3期後輩、神戸放送局で一緒でした。外信部に行ってワシントン支局に勤務した後、独立してドイツを拠点に取材活動を続けています。久しぶりの再会でした。

熊谷さんにドイツ人の特長を伺ったらとにかく質素で倹約家、コスト意識がものすごく高い。要はケチだということでした。環境意識も高く森を大切にするということでした。

しかし、大きく物事を決める時は緻密にデータを積み重ねるのではなく素人も入ってエイヤーで決めてしまう国民性だというのです。脱原発決定がその展開的な事例だと言っていました。

意外でした。ありとあらゆる可能性をシミュレーションして決定したのだと思い込んでいました。ドイツ人は、方向を決めたら後は疾風怒濤に突き進んでいくということでした。

今になって脱原発が完了する目標年次の2022年に電力が不足するのではないかという議論が巻き起こっています。それでも脱原発への支持は70パーセントだということでした。

ドイツでは高圧線の鉄塔を立てると電磁波によって健康を害するという意見が強いということです。脱原発をしたくても送電網を作るのが容易でないとも話していました。

原発大国フランスからドイツはエネルギーを購入しています。矛盾しているとの指摘があります。EUは、EU全体を一つに単位としてエネルギー市場を作っているので止む得ないと説明していました。