治水を学び、洪水時に備える拠点づくりを目指して
22日足柄の歴史再発見クラブで内閣府を表敬訪問した際に会長の小林秀樹さんが提案を投げかけました。
ここに行けば治水がわかるという施設ができないものかと内閣府の防災担当の皆さんに語りかけました。
小林さんの念頭には、酒匂川の治水の難所、大口周辺を念頭に置いて提案していました。
1707年の富士山噴火後の洪水の際には大口の土手が切れました。再び噴火した場合も難所には変わりありません。
こうした場所に300年前の富士山の噴火とその後の洪水を克服した人々の記録がわかる施設を建てることは有意義です。
土手の修復工事を行った田中丘隅が建立した文命宮は現在は福澤神社となり現在も守り神です。
遺跡も揃っているし治水の歴史を考える適地だと思います。しかし、ひとつ大きな問題があります。
治水の難所中の難所に施設を建てることは万が一の際に施設を使えない危険性も高いということです。
大口の土手は、近代以降、コンクリートの擁壁が出来て相当に頑丈な土手となっています。
それでも富士山の宝永噴火級の爆発が起こった場合は、洪水を防ぎ切れるかどうかはわかりません。
また富士山からの噴火の砂で埋もれてしまう危険性もある場所です。この点も考えなくてはなりません。
私は、万が一の災害の時に救援拠点として活用するのならばもっと下流に持ってくるのが適当だと思います。
ズバリ適地は酒匂川を下って開成町のスポーツ公園よりさらに下流の足柄大橋周辺です。
この辺りも治水の拠点です。かすみ堤と言って土手が二重になっている場所でもあります。
土手の切れ目から洪水の時は、水が逆流して一時的な遊水地となる極めて重要な場所です。
近くには祖師堂という名前の日蓮宗のお堂が立っていましたが現在は移転して空き地となっている場所もあります。
かつての祖師堂の周辺に富士山噴火と治水の歴史を学びいざという時に備える拠点づくりを目指すべきだと思います。
内閣府の防災担当責任者の方より、防災などの関わる施設の建設には基盤整備の交付金制度もあると助言がありました。
確かに国よりの補助金で建設構想を練ることも一案ですが県や町に財政的余裕があるとは思えません。
民間主導で施設を建設しその一部を利活用することで対応するプランを考えるほうが現実的です。
全くの妄想段階ですが3階建ての施設として1階部分は完全な民間の施設、製造工場でも良いです。
2階を富士山の噴火と治水の歴史を学ぶ学習施設として周辺の市町が借りて出前授業や住民の防災学習に活用します。
3階は防災倉庫兼非常時の司令塔として活用します。食料の備蓄や炊き出しもできる施設も設置します。
酒匂川は県が管理する2級河川ですので、このフロアーは、県が借りて活用するのが適当です。
防災倉庫をなぜ上の階に置くかというと非常に使用するのですから安全でなければならないからです。
民間でこの辺りに進出したい企業があれば決して夢物語ではありません。知恵を絞るべきだと思います。