人生ノート1~プロローグ~

ジャーナリストは、自ら行動するのではなく人のあとを追いかける仕事です。特に政治記者の場合は権力者の行動を追いかけます。

知らず知らずのうちに自分も権力者であるかのように勘違いが始まります。態度は横柄になりますし上から目線で物事を考えてしまいます。

NHKの政治記者を続けていて自分がこのままではダメになってしまうような気持ちになりました。仕事に力が入らなくなりました。

1993年の春頃のことです。その年の6月まさかの衆議院の解散があり自民党が一党支配から転落。8月に日本新党の細川内閣が誕生しました。

今や力が地に落ちたかに見える小沢一郎さんが辣腕を振るいました。激動期ですので若い政治家が続々と誕生しました。

こうした動きを見ていて自分もこの流れに入って政治家になろうと思い立ちました。辞める理由を強引に見つけたというのが真実に近いです。

NHKに退職願を出しました。8月10日付です。37歳でした。長男が小学5年生。妻が反対する暇もないほどのスピード決断でした。

あれからちょうど20年。不安感に押し潰されそうになったことも何度もあります。この間に選挙を8回経験しました。町長選挙の4回以外はすべて敗戦。

衆議院選挙が2回、県知事選挙が1回。そしてこの間の参議院選挙です。最後は大惨敗でした。節目を迎えました。この20年の総括が必要です。