本当はコロナが主役の自民党総裁選

新型コロナは安倍総理を肉体的に追い詰め退陣表明を余儀なくさせました。昨年8月のことです。

1年後菅総理は権力維持の策略が不発に終わり総裁選出馬を断念せざるを得ませんでした。

東京で新規感染者が5千人を超えるという新型コロナの爆発的感染拡大が背景にあります。

新型コロナは2人の総理の首を獲りました。その後感染状況は急速に落ち着いてきています。

この変幻自在と思えるコロナの振る舞いは自民党総裁選挙に大きな影響を与えたと思います。

コロナのため街頭に出ての演説や大きな会場を満杯にする演説会はできませんでした。

河野太郎さんの勢いを削ぎました。オンラインでの発信と熱狂を生で伝える発信とでは雲泥の差があります。

河野さんが街頭に出て人気の小泉進次郎さんや石破茂さんも駆け付ければ爆発的発信力を持ったはずです。

しかしコロナが許しませんでした。「小石河連合」と言ってもオンラインではいまひとつ迫力に欠けます。

感染が収束傾向になったのも大きいです。感染爆発状況が続いたとしたら国民の間に不安感やいら立ちが募ります。

この国民感情は河野さんに有利に作用したと思います。一気に変えて欲しいとの願望が膨れ上がるからです。

地方票で圧倒し国会議員にも影響を与え一発で過半数確保というシナリオが現実味を帯びたはずです。

しかし現実は河野さんが総理総裁の階段を一気に駆け上ることに待ったをかけるかのように収束の方向となりました。

岸田さんにとって天が味方しました。熱狂の中では影が薄かった岸田さんの存在が浮かび上がりました。

高市さんには私の予測をはるかに超える保守派の支持者がついてます。安倍前総理のてこ入れもあります。

野田聖子さんも2人目の女性候補と言うことで目立ちます。もちろん河野さんの発信力は図抜けてます。

岸田さんは大ピンチのはずでした。しかし感染収束で熱狂は収まり冷静な議論ができる環境となりました。

オンラインで全国各地域の自民党員らと対話を重ねる岸田スタイルが活きてきました。

コロナ禍で総裁選が始まり収束しつつある中で投票となることは、コロナが岸田さんを後押ししているみたいです。

岸田さんは苦笑いでしょうが総裁選挙を裏で牛耳っているのはコロナだと言って良いほどの影響です。

コロナがもたらした有利な状況を活かせるかは政策ではなく岸田さんの肚構えにかかっているように思います。

岸田さんの口調で気になるのは発言の最後が「ではないか」となり結論があいまいなことがままあることです。

言い切れないのは突き詰めると肚構えの問題です。開き直れれば岸田さんが勝利にいちばん近いと思います。