すこぶる強敵、ロシア
悪貨は良貨を駆逐するのか、それとも正義は勝つのか。結論を出すのが難しい難題です。
国際政治を題材に取れば短期的には間違いなく悪貨が良貨を駆逐するのは歴史が証明しています。
もっとも典型的な事例はナチスヒトラーがヨーロッパ大陸を短期間に席巻したことです。
ナチスは連合国側が手をこまねいている間に軍事力を密かに増強させ電撃作戦を展開しました。
第二次世界大戦後も悪貨がばっこする事例はことかきません。短期的には電撃的勝利をもたらします。
アメリカが謀略でベトナムへの介入のきっかけをつくった時も偽情報を口実に攻撃を開始したイラク戦争もそうです。
長期的に見ると悪貨は芳しい成果を挙げていません。ナチスや大日本帝国は崩壊しました。
ベトナム戦争は泥沼化しアメリカは撤退に追い込まれました。イラク戦争も同じようなものです。
悪貨と良貨は固定されたものではなくその時々の事情で悪貨になったり良貨になったりするところが厄介です。
こうした中で悪貨でいることに対し一貫して平然と振る舞い、国策を遂行している国があります。
ロシアです。かつてのソビエトです。常にずる賢く立ち回り悪役となることを厭いません。
ソビエトは1945年8月9日日ソ中立条約を一方的に廃棄して旧満州国に侵入しました。
60万人ともいわれる日本人捕虜を抑留しシベリアなどで強制労働を強いたことは断じて許されません。
ロシアのプーチン大統領はかつてのソビエト的体質、言い換えれば独裁者スターリン的体質を受け継いでます。
自国の国益と自らの権力維持のためには何でもします。常に強気で妥協はまずしません。
これができるのは国土が広大でエネルギーと食料が豊富だからです。懐が深いと言えます。
歴史をさかのぼればかのナポレオンもロシアにはかないませんでした。ヒトラーも敗れました。
アメリカはウクライナでの軍事衝突に及び腰です。ロシアは平気です。短期的にどちらが有利か明らかです。
ロシアは軍事侵攻の口実を見つけたら電撃作戦を遂行するのではないかと私は思います。
ウクライナの首都キエフを目指しているとの観測をアメリカのバイデン大統領は述べました。
1968年チェコスロバキアの民主化運動を弾圧するため首都プラハにソビエト軍の戦車が侵攻した事件の再現です。
プーチン大統領はウクライナを制圧したならば自国に有利な条件を飲むよう徹底して西側諸国に迫るでしょう。
これに対しアメリカなどの西側先進国は経済制裁で対抗すると言ってます。どこまで効くかが問題です。
国民の反発を押さえつけることにかけてはロシアの方が何枚も上手です。この国はすこぶる強敵です。