続・ウクライナ危機から台湾有事を読む

ウクライナ情勢は親ロシア勢力が実行支配している地域で政府側との非難の応酬が始まり沸点が近づいてます。

プーチン大統領はウクライナ政府を非難、アメリカは侵攻の口実のための情報操作だと真っ向対立です。

ロシアと同様強権体制をとる中国はウクライナ情勢の行方をかたずをのんで見ていることでしょう。

中国共産党はソビエト体制がなぜ崩壊したのかに重大な関心をもって詳細に研究したはずです。

アメリカと対峙するだけの力を有したソビエト体制がゴルバチョフ大統領時代に瓦解しました。

ペレストロイカと呼ばれるゴルバチョフ大統領の路線は西側には受けは良かったものの自らの首を締めました。

中国共産党は他山の石としたはずです。急進的な民主改革路線は死を招くと結論付けたはずです。

民主化運動を徹底して弾圧する姿勢は一党支配体制の継続のため必須と判断したためと見ます。

ソビエト体制が崩壊して弱体化したロシアはプーチン大統領の登場で勢いを取り戻しました。

強いロシアを掲げて軍事力の増強を進めました。豊富な原油や天然ガスが経済を支えました。

2014年ロシアはウクライナ領とされていたクリミア半島地域を軍事侵攻し併合しました。

ウクライナで親欧米政権が誕生したのに対しクリミア半島の親ロシア派住民が決起したのを口実に侵攻したのです。

そして今ウクライナでは8年前にクリミア半島で起きた事態の再現ドラマが進行中です。

中国共産党は偉大なる中華民族の復興を掲げて強権で国内の民主化の動きを押さえつけました。

プーチン路線と相似形です。次なる標的は台湾です。プーチン大統領のウクライナ対応は実践的な参考書です。

台湾でも蔡英文政権が誕生し中国と距離を置く政策がとられてます。ウクライナと一緒です。

台湾の親中派が騒動を起こせばウクライナと同じ状況に持ち込める可能性があります。

しかしウクライナと決定的に異なる政治事情があります。台湾は政治的自由と民主主義が定着してます。

ウクライナのような形で騒動を起こすのは不可能です。民主的な手続きが不可欠だからです。

中国共産党は謀略や宣伝を強化して親中派政権を誕生させることに注力している思います。

一方台湾海峡を隔てた大陸で軍事演習をしたり台湾へ領空侵犯したりして揺さぶりをかけています。

台湾に動揺が広がり政変が起きるのが目的です。軍事的圧力が弱まることはないでしょう。

米台軍事同盟が強化され台湾の独立志向が強まればそれを口実として軍事侵攻も想定されます。

悪夢のシナリオの実現を阻む決め手は強固な民主主義を育んできた台湾民衆の断固とした姿勢だと思います。