中国が尖閣を攻めてきたらアメリカ軍は自衛隊と共同で血を流すか否か?

昨夕、東京で元防衛事務次官の守屋武昌さんの講演がありました。かつて防衛省の天皇と言われた官僚で、その後収賄で逮捕された守屋さんです。

知人から案内があり出かけました。私がNHKの防衛記者だった1988、89年当時、防衛庁の航空機課長を務めていました。それほど目立っていませんでした。

しかし、守屋さんは事務次官に登りつめ権勢を振るいました。4年もその座に座ったというのですから驚きです。人の人生わからないものです。

ロシアがなぜ北方領土を手放さないか真の理由を話していました。潜水艦から発射する大陸間弾道弾をアメリカに向けて撃つ適地であるからということでした。

アメリカが潜水艦から発射される大陸間弾道弾を打ち落とす技術を開発すればロシアにとって北方領土の価値はなくなり手放すこともありうるとの見方でした。

尖閣諸島は中国の海軍が太平洋上に出て行く際、その進行を邪魔するかのような位置に存在しているところに地政学上の特徴があると話していました。

尖閣周辺の中国海軍の動きは、潜水艦も含めて日本の海上自衛隊に監視され、その情報は在日アメリカ軍とも情報は共有されています。

在日アメリカ軍は、攻撃力を有しています。しかし、行く手を守るレーダー網や補給基地など攻撃を支える兵力の配置はありません。

その役割を果たしているのが日本の自衛隊で在日アメリカ軍にとって不可欠と強調していました。尖閣が中国から攻撃を受けたらどうなるかにも言及していました。

不可欠の同盟国である日本を守らないなどということは考えられないという見方でした。安全保障の観点から見ればその通りかもしれません。

しかし、政策は安全保障の専門家だけが決めることではありません。素人のアメリカ議会が決定権を握っているという事実を重く観る必要があると思います。

今のアメリカ議会の状況を見ていますと歳出削減の声は強いです。日本の防衛に深く関与することに反対は今後強まることが確実です。

それに何といっても直接には日本の防衛に関わることがらにアメリカ軍人の血を流すことをアメリカ議会が簡単に認めるとは思えません。安直な結論は危険です。