論語って面白い。
昨日、東京八王子市南大沢にある首都大学東京で開かれた20人ほどの小さな研究会に出席しました。中国の治水神、禹王について発表しました。
研究会の代表は桜美林大学名誉教授の植田渥雄さんです。植田さんから孔子の論語の話がありました。学生に戻った気分になりました。
論語にはところどころに意味をなさない置字と言われる文字が記されています。「賢哉回也」。賢なるかな回やと読み下しますが哉は意味不明です。
この哉は気分を示していて「本当に賢い奴だな~」という感じだというのです。高校の時にこんな授業を受けていれば漢文をもっと好きになったのにと思いました。
植田さんは最後に孔子の有名な一節「信なくば立たず」と取り上げました。元総理大臣の三木武夫さんが好んで使った言葉です。
弟子が孔子に政治にとって大切なものは何かと質問しました。孔子は、軍事力と食料と民衆からの信頼だと答えました。
この三つのうちでやむ得ず削るとすると何かと聞くと孔子は軍事力と答え、残りの二つのうちでやむ得ず削るのは食料と答えました。
民衆からの信頼が一番だという結論です。孔子の理想主義と言えると思いました。しかし、孔子の理想使えた魯の国には受け入れられませんでした。
そのため孔子は弟子たちと共に諸国を放浪することになりました。その結果後世孔子の言行録が論語としてまとめられることになりました。
小国魯は後に周辺の大国に滅ぼされました。もし魯が大国の狭間にあって軍備を減らすという理想主義を採用していたらどうなったのかと思いました。
アメリカ、中国、ロシアの三つの軍事大国の狭間に位置する現在の日本の姿が頭をよぎったからです。軍備縮小政策は採用可能かどうか考えたくなりました。