国策に躍らされることなく地に足の着いたまちづくりを

デジタルトランスフォーメーション、グリーントランスフォーメーション。
DX、GXと略称されることが多いです。
こうした表現を目にするとそれだけでまだ見ぬ夢の世界を連想しがちです。
まちづくりにもDX、GXは進出してきました。
実態は現在進行形でまだ具体のかたちは示されていません。

有名なのは世界のトヨタが進めようとしている静岡県裾野市のスマートタウンです。
655ヘクタールの開成町がすっぽり入る敷地に未来都市を創ろうとしてます。
HPでの説明は横文字の乱発で理解しにくいです。
要は最新のデジタル技術を活用し環境に配慮した都市を建設するというものです。
トヨタが全責任を負って進める民間事業です。

裾野市としての向き合い方は簡単ではありません。
未来都市が出現すること自体は市の名前を高め歓迎でしょう。
しかし切り取られた一部の空間でおとぎ話のような街ができても波及効果は乏しいです。
連携を断念したとの報道もあります。

神奈川県藤沢市で進めている未来都市づくりもあります。
こちらはパナソニックが主体です。
ナショナルの冷蔵庫工場の跡地です。
昭和の高度成長を支えてきた工場用地が生まれ変わる訳です。
19ヘクタールですから裾野市と比べればぐっと小粒です。

小田原市でも計画が進もうとしています。
小田原駅西口にほど近い少年院の跡地2.4ヘクタールが候補地です。
豆粒のような未来都市づくりです。
街区というよりは広めの住宅展示場という感じです。
小田原市では新年度予算にコンサルへの構想立案の予算を盛り込んだとのことです。


守屋市政に真っ向勝負を挑んでいる小谷英次郎市議のミニ集会が14日ありました。
小谷さんが小田原市の未来都市づくりに疑問を投げかけていました。
コンサルへの委託事業費は5500万に上ります。
市としてのビジョンなしにコンサルに丸投げして良い成果は得られないとしてました。
国有地の買収が必要で経費は20数億と見積もられるとのことです。
公共事業としてそこまで投資して効果があるのか誰しも疑問が湧きます。
国策に沿った未来都市づくりということで押そうという発想だと思います。


未来都市もどきの街区が小田原市民に有益か首を傾げます。
小谷さんはこの構想の問題点を市議会で徹底的に追及すると述べていました。
巨額の市費が投じられるのですから当然のことです。
まばゆさに目を奪われ壮大な無駄遣いをしてはなりません。
チェックするのは市議の責務です。