岸田総理、背負った子に足元をすくわれるの巻

背負った子供に教えられるという言葉があります。
年の離れた後輩から的確な助言を受けた時に使います。
自分が支えていると思っていたら勘違いだったと気づくわけです。
後輩の成長を驚くとともに喜んでいます。

現在の岸田総理の心境はいかほどでしょう。
背負った実子である長男に足元をすくわれました。
公邸で親族の忘年会をして悪ふざけの写真撮影は言語道断です。
明日付で政務秘書官は更迭となりました。

即刻首ものの不祥事ですが一時は擁護し処分に手間取りました。
身内に甘いとの批判がくすぶりすっきりとは行かないでしょう。
岸田総理がいつこの件を知ったのか気になります。
週刊文春の取材が始まってからでしょうか。
隠ぺいしていたとしたら問題です。国会での真相解明が不可欠です。

文春砲の炸裂のタイミングも絶妙です。
サミットが終わり岸田総理意気軒高だったはずです。
ゼレンスキー大統領の登場でG7の注目度は格段に高まりました。
早期解散論が一気に浮上しました。
長男の不祥事の暴露が完全に水を差しました。

岸田総理が早期解散に踏み切り勝利すれば指導力は一気に高まります。
これを嫌った誰かがリークしたのかと思いたくなるほどです。
真相はやぶの中です。

岸田総理は政局運営が厳しくなりました。
切り札の解散権行使が容易ではなくなったからです。
岸田総理の立場を強める一手は電光石火の早期解散だったはずです。
その手がもはや幻となってしまい妙手はありません。
支持率の上昇を見込めるイベントはこの先見当たりません。

異次元の子育て支援の財源、難題の防衛費の増額の財源。
議論沸騰必至です。合意を取り付けるのは容易ではありません。
今回の不祥事は公明党に対する岸田総理の立場も悪くしました。
衆院選の候補者選考をめぐる両党のあつれきを収める指導力を損ないました。
これも解散権行使を縛る要因となります。

愚かな息子を育てたのは岸田総理自身です。
だれかに責任をなすりつけることもできません。
まいた種は自ら刈るしかありません。
来年9月の自民党総裁任期までいばらの道を歩まざるを得ません。

政界は一寸先は闇という警句通りです。
野党が弱体なので退陣に追い込まれることはないでしょう。
しかし支持率が上がらなければ解散を打ちたくても自民党内が納得しません。
菅前総理に続き解散できずに退陣となる可能性が出てきました。
長男の痛恨の不祥事は政治史に刻まれます。
身内から出た錆ですので致し方ありません。