9・11と陰謀論

プーチン大統領に軍事クーデターを試みたプリゴジン氏の乗った飛行機が墜落。
日本人の多数派は“やったな!”と勘繰ると思います。
ロシアでは権力に歯向かうものは消されるという印象が強いからです。

ロシア国内の見方は異なります。
独立系調査機関が行った世論調査が報じられてます。
偶然の悲劇26%、プーチン大統領の報復20%、自作自演16%、外国の諜報機関14%。
自作自演とはプリゴジン氏が消えたように見せかけて生きているということです。

国民も謀略慣れしているようです。
死んだと思わせて潜むメリットはプーチン大統領の放つ暗殺者が怖いのでしょうか。
ゴルゴ13の世界です。

立証が不可能ですから厄介です。
逆らうと危険だとの潜在意識は残ります。
これこそが独裁者が狙う本当の殺人なのかもしれません。
潜在意識は恐怖で歯向かわせない強力な武器となります。

9月11日で9・11の同時多発テロから23年となりました。
世界貿易センタービルへ突っ込む航空機。ビルの倒壊。
映画のワンシーンのようだと形容されます。
テロ事件はイスラム過激派による周到に準備された事件であることがわかってます。

それでも陰謀論は消えません。
ブッシュ政権はテロ事件が起きるのを知っていたというのです。
背後には世界を支配する闇の機関がありそれはユダヤ勢力だというのも良く流布されます。
アメリカでは9・11を陰謀で理解する人が増えているとの世論調査があります。
2021年の調査で34%が陰謀説を信じているとのことです。

そんなバカなと思ってもひょっとしてと思い始めると疑念の渦に巻き込まれます。
根拠めいた事実があるとそうした感情はなかなか拭い去れません。
9・11テロの後、NHK解説委員の長谷川浩さんが突如自殺しました。
放送センターの上層階から飛び降りたとされます。

長谷川さんは政治部の先輩記者で温厚な方でした。
ニュース解説でテロにまつわるユダヤ人の陰謀論めいたうわさに触れた後の出来事でした。
ばかげた妄想と一笑にふされかねないのは承知の上です。
自殺する理由に心当たりはないと知人は語ってました。
23年たってもすっきりしない感情がまとわりついてます。
陰謀論はしぶといです。