大乱世の足音が聞こえる
私が政治記者になったのは1985年。
竹下登元総理の竹下派が勢いを増してました。
派のとりまとめ役は金丸信元副総理でした。
金丸さんが派の将来を担う人財の評価を語った言葉があります。
「平時の羽田、乱世の小沢、大乱世の梶山」です。
羽田とは羽田孜元総理のことで温厚で平凡なタイプの政治家でした。
小沢とはご存知小沢一郎さんのことで今も現役で権力奪取に燃えてます。
梶山とは梶山静六元官房長官のことです。
問題は大乱世という言い回しです。
文字通り大乱世と捉えるかめったにないと受け取るかでニュアンスは異なります。
前者なら大乱世に耐えうる逸材と考えられます。
後者ならば梶山さんの時代はないとの評価と受け止められます。
先月25日のブログで岸田政権を奇妙な安定政権だと述べました。。
自公政権に代わる野党政権はあり得ません。
岸田総理に変わる絶対的な候補はいません。
こうした政治環境が低支持率であっても岸田政権の存続をゆるしていると分析しました。
前提が崩れる可能性が出てきました。
安倍派の政治資金パーティーの裏金問題が火を噴きそうな雲行きです。
大学教授の告発を受けて東京地検特捜部が政治資金規正法違反の疑いで捜査してます。
億単位の金が派閥から政治家に還流され裏金になっているとの疑惑が報じられてます。
安倍派は岸田政権の中核を支えているだけに大乱世の引き金になる可能性があります。
奇妙な安定を維持していた岸田総理にとっては地雷原が爆発するようなものです。
岸田総理は羽田、小沢、梶山の3氏のタイプから見れば羽田さんタイプです。
奇妙な安定を前提として初めて成立する総理だと言えます。
基盤が揺らげば権力維持は不透明になります。
来年の話をすると鬼が笑うと言いますがせざるにはいられません。
大乱世時代の足音が聞こえます。
夏までの解散総選挙の可能性はゼロに等しいです。
9月の自民党総裁選挙が大勝負となります。
新総裁になれば解散に踏み切るでしょう。