二宮尊徳の「富国安民」思想を世界へ発信
小田原にある報徳博物館の開館40周年の感謝の集いがありました。
草山昭理事長が道のりを説明しました。
建設に5億円を超える資金が必要でした。
草山さんらは当時の経団連の会長の土光敏夫さんにアタックしました。
3億円近くの寄付を集める窓口になってくれました。
神奈川県などからの補助もあり建設のめどが立ったということでした。
この手の話を進めるにはトップとの直談判が不可欠という格好の事例です。
報徳博物館が進めている特色ある事業に中国との交流があります。
これまで25人の留学生を受け入れています。
発端は北京大学のひとりの教授の博物館訪問にありました。
道徳と経済との融合を目指す二宮尊徳の思想に強い関心を持っていたとのことです。
国際二宮尊徳思想学会を立ち上げて日中双方で学術大会を開きました。
私も2018年に孔子の生まれ故郷の曲阜師範大学で開催された第8回大会に参加しました。
この後コロナの流行もあって大会の開催は途絶えたままです。
二宮尊徳の考え方の底流に流れているのは「富国安民」です。
民衆の安定的な生活があって国家の繁栄はあるとの考え方です。
こうした報徳思想は現在の習近平指導部と相いれない部分もあるようです。
交流断絶の一因になっている可能性を指摘してました。
博物館館長の小笠原清さんが記念トークをされました。
1987年に制作された二宮尊徳の映画についてです。
小田原出身の画家の小島直さんの絵本絵画を活用したと言われました。
博物館の地下展示室で原画展が開かれています。
ほのぼのとした筆さばきの中に尊徳の生涯を描き切っています。
英語の解説をつければ世界に発信できると思いました。
アニメーションを制作すればさらにその発信力は高まります。
開館45周年事業と言わず早急に取り組んでいただきたいです。
世界で目をそむけたくなるような戦乱が続いています。
二宮尊徳が訴えた「富国安民」こそが世界の民衆が求める理想の姿だからです。