父と息子
昨日朝5時から開かれた家庭倫理の会に参加しました。小田原支部の高橋正会長の講話がありました。ご自身の実の体験を話されました。
父親と息子は永遠のラバルという言葉があるように「親父よ言ってることは判るが、そうは言っても…」というやり取りが日常だったようです。
高橋会長は40代で奥様をなくされて思春期の長男を男手で育てられました。母親が存在すればクッションがあり息子とのやり取りもし易いです。
でも、男同士が直接向き合うとなるとなかなか会話も弾まなかったのではないかと思います。私は、子育ては妻に任せっきりでしたので想像できません。
その息子さんが家庭倫理の会の研究所に就職されました。会の冊子に父、すなわち高橋会長のことを書かれたのだそうです。
昨日の会合ではその一文を読み上げられました。なぜ読み上げたのかすぐ判りました。話してしまうと涙が止まらなくなってしまうからに違いありません。
反抗し反発した息子が迷いながら最後の最後、就職先に選んだところが倫理の会の研究所でした。高橋会長は以前は反対されていたようです。
ところがイザとなると息子さんの決断に対してエールを送り亡くなったお母さんの思いに答えられるような立派な研究員になれと言われたようです。
その言葉がずしりと息子さんの胸に響きました。かつては噛み合わなかった対話が短いけれども物の見事に成立した瞬間だと思いました。
就職して社会人としてしばし揉まれたあとこの一文は書かれたのだと思います。仕事に着いてから父親の背中がはっきり見えたのだと思います。
この一文から息子の成長した姿をはっきりと見取って高橋会長は涙したに違いありません。聴いている皆に感動を与えました。
一文に綴られた文章を耳にして我が事を思いました。私も父とは反りが会いませんでした。軍人出身でワンマンで強圧的でした。
その父と同じ町長職に就いて初めて父の町の将来を見通して先手を打つために苦労したことを知りました。はっきりと背中が見えました。
小学校の教師をしている息子が一昨年12月結婚しました。衆議院選挙に敗れてから一週間後でした。式場でメッセージをもらいました。
「いつまでも自慢の父でいて欲しい。」と書かれていました。私はその言葉に目が釘付けになりました。これ以上の励ましはありませんでした。
結婚式のスピーチから職場での息子の姿を初めて知りました。その成長驚きました。そうした体験を経たからこそ書かれたメッセージであると思いました。