「田舎モダン」考
時代を画するキャッチコピーで今なお鮮烈に覚えているのがあります。
「モーレツからビューティフル」です。
1970年富士ゼロックスのテレビコマーシャルでした。
宣伝臭さは皆無です。
時代が変わるというメッセージのみが迫ってきます。
直截なのに品格さえ感じさせます。
現代日本は70年代以上に大きな曲がり角です。
70年代はバラ色の夢が消えたわけではありません。
現代は人口が減り高齢者ばかりになって行く暗い未来図が覆ってます。
どうすれば展望が切り開けるのか答えはありません。
まちづくりの最前線に位置する市町村は深刻な事態です。
どう反転して行くかを示すキャッチコピーが問われます。
23日の開成町日曜議会で山下純夫議員がこの問題を質しました。
時代に流れに即したキャッチコピーを考えるべきではないかと問いました。
開成町の現在のキャッチコピーは「田舎モダン」です。
便利なのに田舎の風情、田舎なのにおしゃれな空気感、こんなイメージです。
これからのまちづくりが目指す方向はグローカルだと思います。
小さな町も世界とつながることで可能性を広げなければなりません。
一方で世界につながる際の最強の地域資源は田舎の風情であり暮らしです。
ふたつの志向すべき価値を巧みにまとめているキャッチコピーです。
山下さんも高く評価してましたが担当職員のセンスには感心します。
大切にして欲しいです。
山下さんの問題提起はまちづくりの具体性が足らないのではというものでした。
「母になるなら流山」で有名な千葉県流山市の事例を引いてました。
私は逆にオシャレ度が下がるような気がします。
「田舎モダン」の方に惹かれます。
「田舎モダン」とは何かの具体例が不足しているところに問題があるのだと思います。
キャッチコピーが悪いのではありません。
これが「田舎モダン」のまちづくりだとわかる具体事例を重ねることが大切です。
そうすれば「田舎モダン」は輝き出し存在感を増すと思います。