原発か脱原発かは、文明の選択、国民投票に相応しいです。

(写真は、大磯エネシフトホームページより)

昨日、大磯町立図書館で大磯町で自然エネルギーを定着させる取り組みを始めている(一社)「大磯エネシフト」主催の講演会がありました。

NHK放送文化研究所の七沢潔さんが講師でした。3・11の放射能汚染の実態を追求したNHKETV特集「ネットワークで作る汚染地図」を制作しました。

この番組は高い評価を得ています。文化庁の芸術祭大賞や数々の賞を受賞しました。極めて放射線量の高い特定の地域を意味するホットスポットという言葉を有名にしました。

七沢さんは1986年のチェルノブイリ原発事故と1999年のJCO事故、そして2011年の3・11を比較しながら原発の今後について論じていました。

結論は、原発と人類は相容れないのではないかという疑念でした。3・11の事故原因はわかっていません。近づけないですので解明できません。

地震により配管などに損傷が起きて冷却水が不足したのか津波によって電源が喪失したのがこの肝のところが根本的には明らかにできないままです。

今なお地下水の放射能汚染をはじめ管理するための悪戦苦闘が続いていることは明らかです。「アンダーコントロール」という話ではありません。

汚染物質を管理するための年月は想像を全する長期間で、人類が存在するかどうかも不明です。七沢さんは、原発との共存に懐疑的でした。

会場から質問が出ました。「原発の危険性は良くわかるがかといって電力が不足してしまったらどうなるのかという不安もある。どうしたら良いのか分らない。」

七沢さんは、ドイツの例を引用して国家としての決心の問題だと答えていました。本気で脱原発を目指すという方針の下で初めて脱原発の方策が見つかるということだと思いました。

どっちつかずでは議論はエンドレスです。今の日本の状況状況です。このほど決定したエネルギー基本計画では原発の容認と自然エネルギーの推進が同時にうたわれています。

別の質問者が原発は国民投票で決める必要があるのではと述べていました。七沢さんは、大議論しながら最終的に脱原発を決めていった諸国の動きを評価していました。

いったん大事故が起きたら手の打ちようがないという事実が支援されたのが3・11だと思います。原発に頼る社会の仕組みが根本から問い直されたことは明白です。

一日も早く脱原発を明確にして国の在り方を根底からやり直す必要があると確信します。高度科学技術文明といってよい現代文明の問い直しです。

ただ、そうは思わないという方々もいられます。だからこそ国民投票でオープンにして徹底的に議論した上で方針を決定することが大切だと思います。