石破体制、危うい船出
石破総裁が衆議院選挙を27日に行うと表明しました。
目を丸くしました。
石破さんは国会論議で争点を明確にしたうえで解散総選挙を行う姿勢でした。
総裁選挙中に堂々と述べていた正論をひるがえし態度を一変させました。
政治の信頼を取り戻すことが最大の使命のはずなのにこれでは信頼感は得られません。
どんなに立派なことを述べてもいつころりと変節するかわかりません。
公にしたことは守るという王道を忘れ党利党略に走りました。
”らしさ”を失う決断でした。
立民党は野田代表による身内ばかりを登用する人事でみそをつけました。
しかし石破総裁のひょう変で格好の追及ネタを得ました。
裏金問題を隠すつもりかと突っ込めば反論の余地がありません。
石破総裁地雷原を踏んでしまいました。
立民をはじめ野党各党は勢いづきます。
衆院選に影響必至です。
このほかにも懸念材料があります。
石破総裁の得意分野の安全保障関連の発言です。
石破さんは「アジア版NATO」を提唱しました。
アジア地域においても欧州のような集団全然保障体制を構築しようというのです。
軍事評論家の見解表明ならば言論の自由がある日本ですから理解できます。
政治家としてしかも総理としての発言となると看過できません。
どこか一国が攻撃されたら共同で武力対処するとなると憲法の大原則を越えます。
軽々に総理が口に出す課題ではありません。
集団安全保障体制はどこか仮想敵国があって成立します。
敵もいないのに防御網を敢えてつくる必要はありません。
中国を仮想敵国とする体制を念頭に置いているのでしょうか。
日中関係の劇的悪化をもたらすことを覚悟しなければなりません。
そのような事態をまさか望んではいないはずです。
いずれ時期尚早だとして棚上げとなるのは確実です。
評論家では総理は務まりません。
石破総理、どっしり構えているようで危うさ満載です。
石破新体制は不透明感漂う中で今日船出します。
先行きは予断を許しません。