読書は”ノイズ”時代の読書のススメ

ノイズ、直訳すれば「雑音」です。
必要のない音や情報です。

本を読むことを“ノイズ”とされる時代になったようです。
13日の日経のコラムで知りました。

ピンポイントの情報はネットで検索すればヒットし通常はそれで事足ります。
読書すれば余計な情報が紛れ込みかえって厄介だという考え方のようです。

コラムは三宅香帆さんのベストセラー本に基づいて書かれています。
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』です。

本からコラムのネタを得たところが面白いです。
”ノイズ”ではなくまっとうな情報だったわけです。

こうした事例は数限りなくあります。
斬新はアイデアはむしろノイズから生じると言ったほうが適当だと思います。

ノイズを斬新な発想の生みの親だとすると読書は最良の親のひとつでしょう。
親を粗末にしていては発想が枯渇して浅薄な人間に落ちぶれます。

忙しいとついつい単刀直入な回答に飛びつきたくなります。
暇が無いからです。

発想を貧困にさせる落とし穴です。
単刀直入はば薄っぺらのリスクがあります。

読書は人間に肥しを与える営みです。
浅薄症候群になってしまった人間を回復させる漢方薬です。

本を読まずして人間の基礎となる根は育ちません
即効性のあるネット情報は見えない根ではなく枝ぶりなど見栄えだけを良くするものです。

ちょっと風向きが変わるとたちどころに立ち往生することになります。
土台である根が太ければアイデアが枯渇することはありません。

根を太くする読書が大切です。
ネット情報まがいの本を読んでも根は太くなりません。

人間の本質を鋭くえぐる好きなジャンルの作品を手にされたらどうでしょうか。
難解かどうかにこだわる必要は全くないと思います。

何事も大切なことは単純にわかりやすく表現できます。
平易でない本と格闘して苦しむのはそれこそ時間の無駄です。

“ノイズ”をため込んで置くと何かの拍子にふと湧き出てきます。
ノイズでなかったことがわかる醍醐味です。

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