日本人の課題解決能力世界一に違和感

日本の成人は頭が良いらしいです。
OECD=国際協力開発機構が行った国際成人力調査の結果です。

子どもの国際学力調査の大人バージョンです。
読解力、数的思考力、問題解決能力全てにおいてフィンランドと競いトップランクでした。

設問を見ると問題解決能力の評価は大いに疑問が残ります。
学校に子どもを送り買い物して帰宅するルートを答えることを求めていました。

買い物する場所の位置が3か所あってどこを選ぶかです。
学校と自宅に近い店を選べば正解です。

課題解決能力を問う設問内容とはとても思えません。
課題というからにはもう少し困難な状況を設定しないと意味がないです。

日本の成人の平均的な知力が高いことは認めたとしてなぜ国力は下がるのでしょうか。
能力を活かせてないのかそれとも難問過ぎて太刀打ちできないのかです。

日本の国力低下の危機の源泉は人口減少少子高齢化の同時進行です。
30年前から叫ばれてきましたので日本人の知力を持ってすれば状況は理解できます。

しかし現状は深刻度が急速に増しています。
理解しただけでは問題解決に全く結びつかないのです。

問題解決能力を図るテストは問題を理解できているかを問うレベルです。
頭の良い日本人は得意です。

どうやって解決につなげるかという実践になるととたんに力が発揮できません。
正直に実態を示し今打つべき手を明示して実行に移すことができません。

人口減少少子高齢化は頭を抱える事態になりました。
それでもまだ本当の危機感を共有できません。

日本人は課題解決能力が乏しいと言ったほうが適当です。
課題解決はひとりひとりの理解力とは次元が異なります。

指導者が明確に問題点を指摘し全責任を負って政策を遂行しなければ解決に近づきません。
問題解決能力が日本より低いとされている国々に日本は負けています。

日本は点数だけは良くても社会に出て通用しない頭の良い子みたいです。
現状を跳ね返さないと日本の衰退が止まりません。