令和の百姓一揆が問いかけるもの

おコメの値上がりが収まりません。
小売価格で10キロ4千円、5千円、昨年の倍だと消費者は頭を抱えます。

私自身はおコメ価格の上昇はスーパーで眺めるだけで実感ではありません。
3反弱の田んぼを耕作してもらっていて自宅消費分は確保できるからです。

かつての日本はこうした農家があまたありましたので対応力がありました。
親族ぐらいは融通し合ってしのいだと思われます。

農家の数が就業者の数パーセント台となり事情が変わりました。
消費者が圧倒的ですので価格に敏感です。

ここで問題となるのはおコメの価格が上昇すれば農家は潤うのかという問題です。
2ヘクタール以下の小規模農家は厳しい環境に変化はないと思います。

小規模ゆえの非効率性は変わらないのに燃料代や農機具代金の価格は上昇してます。
家族や親族の食べる分だけで残り分はやめようかと思うはずです。

先月30日全国で令和の百姓一揆と呼ばれた農家によるデモ行進がありました。
有機農業を営んでいる農家たちがやってられないと声を挙げました。

都心をトラクターが行進しました。
フランスの農家デモほど大規模ではありませんが3千人規模だったと報じられました。

おコメ価格が上昇していることに国民の関心が集中している中で農家の実態を問いかけているのです。
小規模農家が生産を止めればすぐに食糧危機になると密かに脅している要素もあると感じます。

政府は新たな農業指針を閣議決定しました。
コメ輸出を5倍にすると報じられました。

大規模農家により一層コメを生産してもらうという宣言だと思いました。
生産するには水田を集約しなければなりません。

複雑に細分化した水田の集約はそう簡単ではありません。
山沿いは特にそうです。

政府の目標が画に描いた餅となる危険性があります。
日本人の主食であるおコメの生産が漂流しそうです。

この現状にトランプ関税がさらに輪をかけると思われます。
こんなことで食料自給率の向上なんてできません。