「消極的平和主義」のすすめ

「積極的な平和主義」は、アメリカとの同盟関係に信頼を置き中国を仮想敵国に位置付けて軍事力の増強や外交面での対中国包囲網を構築することに見えます。

強固な備えを見せつけることで相手側が動けない状況を作りだすやり方です。しかし、大国の自信を深めた中国が黙っている訳ありません。

そうなりますと互いに備えを強化しますので、またまた緊張が強化する悪循環が将来される可能性があります。莫大な軍事費がかかってしまいます。

その挙句の果てに行きつく先は武力衝突、戦争の危険性があります。戦争を抑止するために備えているのに金はかかり戦争になってしまっては元も子もありません。

しかし、安倍政権への支持率は高いです。国民は積極的平和主義路線支持へと導かれているように見えます。いつか来た道を歩む恐れを感じます。

安倍総理の積極的平和主義と違うもう一つの道、安倍総理が積極的と言っているので「消極的平和主義」でも名付けて構想を提示できないでしょうか。

究極的には武力の放棄が平和をもたらすという理想を基本とします。いわゆる憲法9条の堅持は最低限のルールです。集団的自衛権などもってのほかです。

武力放棄といってもいきなり丸腰は非現実的です。しかし武力の増強には徹底して懐疑的に慎重に対処します。争いの種は外交で極力排除します。

消極的平和主義路線の最大のポイントは国民意識です。絶対に戦争はしないという憲法の不戦の誓いをもう一度見つめ直し拡大できるかどうかです。

今の憲法を国民が受け入れたのは戦争はもう嫌だという原体験が強烈だったからです。再び将来のある若者を戦地に送ってはならないと決意したのです。

この精神を受け継いで徹底して武力の行使は断じていけないという意識を国民が持つことです。このことが平和へとつながるという確信を持つことです。

どんな小さな取り組みでも平和に役立ちそうなことは積み重ねていくことが大切です。無理なくできる範囲で参加すれば良く強制はあり得ません。

ネットがこうした運動展開には有効です。憲法9条をノーベル平和賞にという運動などが典型です。日本中で多様な運動が広がれば最強の平和への礎だと思います。