美の神の降臨

美しさに圧倒された経験は誰しもあります。
1983年の秋だと記憶してます。

NHK姫路放送局に勤務していた時です。
ソビエトから超一流のバレエ団が来日し公演の取材をしました。

白鳥の湖でした。
あまりの美しさに取材はそっちのけでした。

端役のバレリーナまでも微動だにしない立ち姿は驚きでした。
美しさは魂を揺さぶります。

2006年2月トリノオリンピックの荒川静香さんのフィギュアフリーの演技。
かのイナバウアーです。

プッチーニの「トゥーランドット」の「だれも寝てはならない」。
オペラの名曲と溶け合う演技はテレビ画面で見ても息を飲みました。

美神が舞い降りるという表現があります。
大げさではありませんでした。

ミラノ・コルティナオリンピックではリクリュウペアに美神が舞い降りました。
フリーの演技は圧巻のひと言でした。

寸分の狂いの無い優雅さでした。
見飽きないのは荒川さんと同じです。

音楽は映画「グラディエーター(剣闘士)」からでした。
古代ローマの死を賭した闘いの日々を送る人たちの物語です。

リクリュウはショートプログラムのミスで5位スタートでした。
剣闘士と同じ断崖絶壁でした。

死地から生還を果たし史上最高得点で金メダルです。
解説者は宇宙一と声を挙げてました。

極限状態で精緻に氷を刻み跳ぶ姿は限りなく美しかったです。
涙がにじんできました。

至高の美に出会うと魂が喜びに震えるのだと思います。
その感情はうれし涙となって湧き出ます。