年末年始は、二宮尊徳先生の勉強します。

回村の像と尊徳生家

(画像は、二宮尊徳像 小田原市尊徳記念館)

この年末年始トマ・ピケティの『21世紀の資本』に挑戦しようと思ってました。引っかかったのは、分厚さと値段でした。

728ページ、5500円の本ですので、それなりの決心が必要です。日和りました。図書館で借りてまずはざっと斜め読みすることにしました。

県立図書館か大きな図書館では既に購入しているでしょうから借りる予約をしようと思い開成町の図書室に行きました。

何と開成町の図書室でも注文する予定だということでした。ラッキー!と心の中で叫びながら貸出第一号となる予約をして来ました。

ただ、これから購入ですので年末年始は間に合いません。年末年始、読む本がなくなってしまいす。本好きにとっては結構な悩みの種です。

実は、既に何を読むか決めていました。郷土の最高の偉人である二宮尊徳先生の勉強をしっかり始めることにしていました。

『21世紀の資本』は、話題沸騰ですので、申し込んでもそう簡単には借りる順番が回って来ないと思っていました。

その時は、二宮尊徳先生以外にないと思っていました。フランスの経済学者のベストセラー学術書に比べれば随分と地味です。

しかし、中身は全く負けていません。欧米の学術研究は先行していて日本のものは遅れているという思い込みはいけません。

日本は、明治になって欧米の学術文化が怒涛のように入ってきました。特に学術研究ば、欧米由来のものが本物と見られています。

この傾向は誠に根強いです。私は、現代社会の危機を突破するヒントはむしろ日本の伝統的発想にあると思っています。

現代社会は、ピケティ教授が警鐘を鳴らしているグローバル資本主義を始め欧米の発想が基にあって作り上げられています。

その仕組みが危機に瀕しているのにその枠組みを作った発想でいくら解決策を考えたところで改良はできても根本解決にはなりません。

欧米ではない伝統の中にこそ根本解決の手がかりがあるはずです。欧米の学術が流入する前の時代の日本人の英知を探る必要があります。

まずは一番現代に近い江戸時代です。江戸時代末期の日本の社会改革をリードした人物として二宮尊徳先生をいの一番に挙げたいです。

日本大学教授の水野和夫さん、『資本主義の終焉と日本の危機』の中でグローバル資本主義の限界を大胆に分析しています。

しかし、危機からの処方箋を考える上で日本の伝統に光を当てる発想は皆無です。横文字の学者の名前しか出てきません。

二宮尊徳先生の道徳と経済は一つという哲学がグローバル資本主義を乗り越える経済哲学です。外ではなく日本の中に解決策はあります。

誠心誠意働いて分をわきまえ余剰が出たらできる範囲で社会のために寄付せよという二宮尊徳先生の教えは完ぺきです。

疲弊した地域の再生は、現場調査を徹底し漸進的に積み上げて行くべきだという積小為大という改革手法も極めて参考になります。

安倍政権は地方創生を掲げています。そうであるならば二宮尊徳先生を地域再生の達人として再評価する必要があります。

二宮尊徳先生は、飢饉により困窮を極めた地域再生のプロフェッショナルです。今こそ光を当て直す時期です。年末年始学び直します。

参考 トマ・ピケティ 『21世紀の資本』 みすず書房 729ページ 5500円