富士山噴火に備え減災モデル地域へ挑戦を。
(富士山 アジア航測社の撮影画像より)
箱根の大涌谷周辺の火山活動が収まってきているということです。神奈川県温泉地学研究所から報告がありました。早期収束を祈ります。
気象庁が箱根山火口という言い方を変えました。大涌谷周辺(箱根山)となりました。箱根全体が危険だという印象を避けるためです。
山口箱根町長が箱根への経済的影響を緩和するために国への要望活動を行った成果が現れました。国の素早い対応だと言えます。
世界的観光地、箱根は、火山とともにあり、その恩恵を受けている一方危険性とも隣り合わせていることが改めて認識されました。
万が一の際には危険性をできる限り少なくするための対応をすることが大切なことは言うまでもありません。減災対応です。
今回、箱根町は全国でいち早く避難誘導のマニュアルを策定するなど事前の取り組みは大いに評価される点がありました。
国、県と連携し監視の強化やマスコミへの対応など改善し火山災害に対する減災のモデル地域となるよう対応を進めて欲しいです。
神奈川県西部地域で予想される災害で対応が完全に後手に回っているのは富士山の噴火への対応だと思います。
降り注ぐ砂に対する対策が全くなされていません。富士山火山防災対策協議会という組織が内閣府にできています。
ハザードマップも出来上がっています。噴火による砂の影響も1707年の宝永噴火に基づいてきちんと示されています。
偏西風に乗って砂は東へ降り注ぎます。富士山のすそ野地域はメートルの世界です。神奈川県西部に50センチ以上堆積します。
神奈川県の中央日や県都横浜にも、そして東京都心も10センチ内外の砂の堆積が想定されます。砂地獄と言って良い状況です。
道路は完全に寸断されるでしょう。農地や住宅地に降り注いだ砂をどのように除去するのか暗たんたる思いにさせられます。
山中に降り注いだ砂は雨の度に崩れます。土石流となって河川に流入する危険性があります。河床が上がり洪水を引き起こします。
300年前は神奈川県西部地域の住民に塗炭の苦しみを与えました。近隣の丘や山中に逃げ込み長期に渡る避難生活を余儀なくされました。
心配されるのは、上流部にはダムが出来ていることです。流入する砂と水の圧力に耐えられるのかどうか検証されていません。
現在の被害想定で1万戸程度が洪水の被害に合うとされていますがどの場所が決壊危険か所で具体的なイメージがありません。
私の眼には富士山噴火に対する具体の対策は事実上無きに等しいと映ります。少しでも災害を減らす手立てを講じることが急務です。
コンピューターを駆使し詳細なシミュレーションを行うことで被害をより減らすことも可能です。直ちに行動に移す時期に来ています。
とにかく難儀なのは除去した砂の置き場です。同時に洪水の被害をできる限り減少させるために堤防の強化も不可欠です。
300年前の経験を踏まえればやり様はあります。現代の科学技術ならば相当程度被害を食い止められるのではないかと期待されます。
国レベルの対応が不可欠です。国家を動かすためには地元の住民がまず立ち上がることです。富士山噴火の減災のため行動します。