日中友好運動の冬の時代を超えて。

小田原を中心に日中友好活動を続けている西湘日中友好協会は、日本が中国と国交正常化をする前の1969年に立ちあがった日本で一番古い友好協会です。

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3日、小田原駅前の市民交流センターで41回目の定期総会がありました。参加者は25人ほどでした。講演を依頼され1時間ほど話しました。

テーマは、大きく「日中和解を目指して」としました。副題に「日中友好運動の冬の時代を超えて」と付けました。テーマと副題の隔たりが大きいです。

現状の日中関係は明らかに厳しいです。昨日もNHKが防衛省が南西諸島方面で中国軍の航空機の領空侵犯に対する緊急発進が増えていると発表した報道してました。

数は増えていて緊張は高まっている実態があることは事実です。しかしこの時期に発表し沖縄県の自衛隊基地が対応の拠点だと強調するのは意図的だと思います。

参議院選挙を意識し対中国の脅威を強調し沖縄の軍事基地の重要性をアピールする狙いがあったと私には見えます。日中関係は一層悪い方向へ傾きます。

内閣府の世論調査でも中国に親しみを感じない人は80パーセント台で高止まりです。若い人に改善の兆しが見えることが唯一の希望です。

日中両国民の互いの意識調査を毎年実施している言論NPOの調査を見ても芳しくありません。ただ、中国人の方が改善の傾向です。歴史問題や領土問題が影を落してます。

こうした時代に日中友好を目指した活動を行うのは難儀です。だからといって止める訳には行きません。お互い引っ越せないのですから。

日本人が中国に親しみを感じるのは中国の歴史や文化であると調査にはっきり表れています。対中国への親しみは若い世代の改善傾向があると先ほど書きました。

西湘日中友好協会の重要な活動の一つに中国の青少年との書画展を通じた交流があります。2013年5月には中国河南省安陽市で開催しました。

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場所は世界遺産の殷墟の中でした。私もこの時の書画展に参加しました。中国の子どもたちの家族みんなで書画を見て写真を撮っている姿にほほが緩みました。

私も2人の孫が出来、可愛くてたまりません。中国でもおじいちゃんが孫と一緒に書画を見に来ている姿が印象に残っています。とても共感が持てました。

こうした文化を通じた交流活動を地道に続けて行くしかありません。小田原も歴史と文化の町です。中世以来の中国との交流の歴史が残っています。

北条早雲の時代に由来がある「唐人町」という中国の名が付いた町があります。中国がルーツである薬の外郎(ういろう)も小田原城近くに店を構えています。

中国で最近評価が高まっている二宮尊徳を祀った報徳二宮神社もお城の隣にあります。小田原を流れる酒匂川の上流には中国の治水神・禹王(うおう)を祀った神社があります。

日中両国の文化交流の素材には事欠きません。こうした地域資源を活かして子どもたちを通じた文化交流を積み重ねて行くうちに活路は和解への道は拓けると信じます。

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日本で一番古い日中友好協会の誇りを忘れないようにして欲しいです。講演の最後は「頑張れ西湘日中友好協会」という言葉で締めくくりました。