2016年参議院選挙 場外編

与党と野党統一候補の激突となった長野選挙区は、元TBSニュースキャスターの杉尾秀哉さんが激戦を制しました。杉尾さんと私は知人です。

政治記者時代一緒に自民党を担当しました。丁寧に取材する記者でした。その後、杉尾さんは、ニュースキャスターに転じ名前と顔が知られるようになりました。

杉尾さんは兵庫県出身ですので長野県にとっては落下傘候補です。それでも勝ち上がることが出来たのは野党統一という基盤のほかに知名度があったと思います。

参議院選挙と同時に行われた鹿児島県知事選挙では元テレビ朝日のコメンテーターを務めた三反園訓さんが現職知事を破って当選を果たしました。

三反園さんとも知人です。杉尾さんらと一緒に自民党取材を繰り広げました。三反園さんは、その後、ニュースステーションのコメンテーターとなりました。

現職の多選批判も勝利の大きな要因だったでしょうがテレビに出ていた知名度もモノを言ったと思います。どこかで顔を見たというのは大きいです。

東京都知事選挙に大物元ニュースキャスターが名乗りを挙げました。鳥越俊太郎さん、リベラルな考え方の持ち主でがんとの闘病記でも著名です。

参議院選挙で一定の成果を上げた野党共闘の枠組みでの出馬ということですが鳥越さんの場合は、有名過ぎますので野党共闘の方が付け足しだと思います。

鳥越さんの出馬のおかげで野党共闘のメンツが保たれて命がつながったと見るべきです。右寄りの人だと共産党が難色を示しますし左過ぎれば民進党が着いていけません。

東京都知事選挙で分裂選挙となれば野党共闘は相当のダメージを受けます。知名度の高い鳥越さんが出馬をした結果、野党共闘は崩れずに済みました。

東京都知事には地方の知事の経験者になって欲しいとブログで書きました。私は元鳥取県知事の片山善博が野党共闘で出馬するのを期待してました。

片山さんは、日本で一番小さな県の知事が東京都の石原慎太郎知事に喧嘩を売って論争をする鼻っぱしの強さがあります。実務能力だけではありません。

混乱した東京都政改革に力を発揮できると思いました。片山さんは冷徹な計算もできる方です。野党で出馬しても勝てるかどうか議会構成も計算して固辞したと思います。

元岩手県知事の増田寛也さんは自民党と公明党という与党の推薦での出馬です。強力な後ろ盾があることが決断のは最大のポイントだと思います。

しかし知名度という高いハードルがあります。乱戦模様になると実務家として地道な仕事をして来たというだけでは都民の心をつかめません。

しかも自民党は分裂選挙で小池百合子さんというやり手の方が出ます。小池さんも元テレビ東京のニュースキャスターで名前を売った方です。

私自身も2011年の神奈川県知事選挙で地味さのハンディを嫌というほど感じました。元フジテレビのキャスター出身の黒岩祐二現知事に敗れました。

増田さんには与党という強力なバックがありるとはいえ巨大過ぎる東京の有権者相手に知名度の差は決定的だと思います。厳しい情勢になったと思います。