地方創生は、防災から始まる。~全国地方議員交流会1~
18日から20日まで全国地方議員交流会がありました。18日、19日は福岡市にある県教育会館を会場に講演と意見交換、20日は熊本の被災地の視察でした。
主催は、自主・民主・平和のための広範な国民連合です。北海道から沖縄までの民進党や共産党系の道府県議会議員や市町村議会議員らが参加しました。
19日の分科会では地方創生、貧困と格差、TPPと農業、子どもの貧困、安保・原発・憲法の5分科会に20人から30人の議員が分かれて参加し意見交換しました。
私は地方創生の分科会で町長経験者として参考意見を述べて欲しいと要請されました。北海道から沖縄まで25人の地方議員らが現状報告をされました。
地域によって抱えている問題は大きく異なります。中山間地を抱える地域では人口減少が最大の関心事です。政令指定都市では大規模開発への対応が課題でした。
地方創生を掲げてもひとくくりにして論じることは全く不可能です。落差はととてつもなく大きいということをまず認識しなくてはならないと痛感しました。
私は神奈川県で一番面積の小さい町が人口が増え子どもの数が増えている原因が環境を守りながら開発する土地利用構想にあったことを説明しました。
皆さん、なぜ規制が可能だったかに質問が集中しました。長期に渡って土地の開発規制を守るには首長の指導力が必要だったと述べました。
企業誘致にも高い関心がありました。開成町での成功実例を紹介し、地域の側がきちんとしたビジョンを持ち首長が積極的に関わる重要性を強調しました。
雇用の場と財源の確保のためには企業誘致は非常に魅力的です。しかし企業の側も世界経済の動向を見ながら最適な立地を常に探り続けています。
時々刻々と変化する経済情勢の流れを見ながら誘致戦略を組んで行かなくてはなりません。開成町は、研究開発重視の時代の流れを読んで対応したと述べました。
各地域のそれぞれの地域特性を十二分に理解してどのような産業を誘致して行くかを絞る必要があります。何となく企業誘致などという姿勢は論外だと話しました。
地方創生を目指すにあたり共通の課題があります。大規模災害対応です。これは地域によって対象となる災害の違いはあるにしても大きな課題であることは変わりがありません。
高知県から参加された議員から南海トラフ地震への対応について述べられてました。地方創生は災害対応とセットで取り組まなくてはならないと思いました。
地方創生で地域経済の活性化ばかりに眼が行ってはいけません。あらゆる事業展開は大規模災害対応を念頭に置きながら計画立案する必要があります。
大規模災害対応が基本にありその上に地域経済の活性化、地方創生があります。この順番を間違えるといざという時に取り返しのつかないことになります。
地方創生の掛け声が盛んな今、最も注意を払わなくてはならない点は、大規模災害時に有効な計画であるかどうかのチェックを怠らないことです。