郵政の次は農協の解体?
TPP自体はアメリカの離脱で来年の早々トランプ大統領の誕生とともに潰れます。アメリカが参加しなければ発効条件を満たさないからです。
政府与党は、TPPをめぐる国際情勢とは無関係であるかのように承認に突き進みトランプ氏が大統領選に勝利した翌日の先月10日に衆議院を通過させました。
TPPは潰れたのです。しかし日本は批准の手続きを進めるのはいったいなぜなのか誰もが首を傾げます。TPPと心中するかのような日本政府の対応です。
1日小田原でTPPについての講演とパネルディスカッションがありました。小田原市と周辺各町の議員らが実行委員会を作って主催しました。
講演は、東京大学の大学院教授の鈴木宣弘さんでした。鈴木さんは一貫してTPP反対を唱えておりTPPが潰れたことで鈴木さんらの主張は説得力を増しました。
鈴木さんが講演で強調していたのは、アメリカは自国民の雇用を守るためアメリカの利益最優先で二国間の交渉で迫って来るということでした。
日本はTPPを批准する訳ですのでTPPレベルの内容は認めますということを国際的に公約したのに等しいことになります。TPPは二国間交渉の発射台になります。
TPP以上の妥協を迫って来ることは確実で日本にとって厳しい状況だと指摘していました。食の安全基準、地元農産物活用などについて制限がかかると警告してました。
遺伝子組み換え食品を表示することができなくなると消費者は選ぶのが難しくなります。反対するとなぜ危険か科学的根拠を示せと反論されます。
安全な地元農産物の生産や消費を盛んにしようと対策を取ろうとするとこれもアメリカの農産物の消費を制限する不当な差別だと攻撃される恐れがあります。
韓国はアメリカとの間で二国間の自由貿易協定を結んでいます。韓国の実情を知ることが大切で韓国では学校給食で地元食材が使いにくくなっているとのことでした。
それと農協に対する攻撃が強化されるのではないかと見ていました。郵政事業の辿った経緯が今度は農協に襲ってきて最終的には解体させられる危険性を指摘してました。
鈴木さんの提起を受けて地元農協の専務理事を交えてパネルディスカッションを行いました。途中から元民主党の山田正彦元農林水産大臣も参加しまた。
私はコーディネーターを務めました。白熱した意見交換になりました。特にJAの存続の危機に話が及んだ時から会場の雰囲気が変わりました。
農協は存続できるのでしょうかと問いました。農協の職員も多くいました。自らの職場が危機に瀕していることが論じられ眼差しが真剣になりました。
農協はこれからどうすれば良いのか本気で考え地域の行政や消費者と本気で向き合い生きる道を探っていかないと本当に郵政の二の舞になってしまいます。
安倍政権はアメリカに一方的に押し込まれる可能性が高いです。大統領になる前のトランプ氏のところに飛び込んでいるぐらいですから頼りになりません。
日本の地域社会のあり方がエゴ丸出しのアメリカに根源から揺さぶられます。日本を守るとは何かを真剣に考え行動しないとアメリカに日本は潰されると思います。