中国の今を知り日本の明日を憂うる。

神奈川県日中友好協会は、毎月、日中経済文化講座を開催してます。毎回多彩なゲストが登場します。時には映画の上映や見学会があります。

28日横浜のかながわ県民センターで横浜市立大学名誉教授の矢吹晋さんの講演会がありました。習近平2期目の体制についてでした。

ホットな話題でしたので小さな会議室は座りきれず、30部用意した資料も足らず事務局が慌てて増す刷りしていました。

矢吹さんは経済分野から日中関係を分析する専門研究者です。元東洋経済新報社の記者ですのでジャーナリスト感覚も持ち合わせてます。

矢吹さんは最近の中国の経済発展に驚嘆しています。専門研究者であってもそうした感慨を持つほど中国の変貌は激しいと言えます。

矢吹さんが挙げていたのは情報社会の浸透の速さでした。ネット決済が60パーセントに近い現状です。現金を持ち歩く人は少数派です。

日本は18パーセントだということです。スマホの活用も中国のほうが圧倒的だということを示しています。

自動車産業の行方も注目です。中国の電気自動車産業は目覚ましい発展を遂げていて世界の自動車産業に大きな影響を及ぼします。

日本が世界をけん引してきた自動車分野で中国に凌駕される可能性が出てきたとみていました。日本の産業界にとっては由々しき事態です。

旺盛な消費もすさまじいものがあります。10月の国慶節に日本を訪れた中国人の消費額は1000億円を超えたと報じられています。

中国経済の存在感は高まる一方です。成長率の鈍化といわれても7パーセントです。10年で倍増の勢いであることに注視しなければなりません。

日本市場への外国からの直接投資は世界ランキング27位です。中国は、2位です。日本市場は魅力がなくなっています。

こうした中で中国共産党大会が開かれました。矢吹さんは習近平独裁という観点ばかりから報道する日本メディアの現状に警告を発してました。

最高指導部の人事にしても若手二人の登用がなかった点を除き人事の鉄則を守ったことを読み取らなければならないということです。

最高指導者の在籍期間は最高10年の鉄則は揺るがないし任期中に68歳を超える場合の再任はあり得ないとの原則も同様だとしてました。

今回次世代の指導者とされる若手の登用がなかったのかが問題となります。それは将来の課題より当面の課題を重視した結果だと分析してました。

アメリカのトランプ大統領の登場でアメリカの事情に精通した実務家の登用を図ったと解説してました。

中国は北朝鮮に対してどう対応すればよいか真剣そのものだということです。アメリカに同調という路線も台頭しています。

中朝関係を従来の固定観念で見ることは危険です。中国が北朝鮮を抑制する術を持ち合わせていなければ北朝鮮の暴発の危険性は増します。

世界の強国になった中国は慎重です。アメリカの出方を多方面から分析し最善の道を探っています。

日本はアメリカ一辺倒で世界を見る姿勢に変化はなく議論の深まりがありません。中国との差が気になります。焦燥感を覚えました。