10月9日と10日、山口県宇部市で開催された日本写真測量学会で静岡県小山町農林課長の前田修さんが発表しました。

地方公務員の発表者は一人だけです。町長の許可を得て自費で参加していました。小山町が現在勢いがあることを示していると思いました。

学術的な研究発表に積極的に参加するような人材がいることが素晴らしいです。忙しい公務の合間を縫っての出張を許可する町長もたいしたものです。

前田さんと中日本航空の笠けやきさんと私とで共同の論文を日本写真測量学会に提出しました。火山砂の流出に管理に関する論文です。

正式の論文名は「スコリア堆積斜面のモニタリングにおける航空レーザ計測とドローンの写真測量の応用」というものです。

2010年9月8日の台風9号による記録的な集中豪雨により発生した土砂崩れの現場をいかに把握し次なる崩落の危険性を防ぐかがテーマです。

小山町は町全体が1707年の富士山噴火による火山砂(スコリア)が堆積したうえにできた都市です。山中での堆積量は3メートルに上ります。

地盤は緩く収集豪雨には弱い宿命にあります。崩落現場を定期的に監視し危険性がないかどうかを少なくとも大雨の都度チェックする必要があります。

測量専門会社の中日本航空に働きかけて試験的に崩落現場の最先端測量を行ってもらいました。事前に得ていたデータとの比較を行いました。

精密な測量同士の比較で明らかに変化を読み取れました。これはこれで成果なのですが常にこうした測量は行うことは費用面からいって困難です。

ここでドローンが登場します。前田さんは自らドローンを保有していて自分でドローンを飛ばして危険個所の管理を続けています。

最先端の機器を搭載しているのではなく通常の写真カメラで撮影しています。最先端の測量結果に基づいて通常の技術で補っているのです。

私は、最先端と通常技術の組み合わせこそ費用面の課題を解決する実践的な管理の在り方だと思い前田さんに論文執筆を強く勧めました。

学術研究者はどうしてもより精度をということで数ミリ単位の精度を出すことに全力を挙げがちです。しかし実際の活用場面はそれほどありません。

現場は、実践的でなければなりません。精度より安価でそれなりの効果が得られる手法の開発こそが実際の現場では求められていることの方が多いです。

前田さんが行ってる最先端と通常技術の組み合わせで危険個所のモニタリングは現場が求めている格好のアイデアだと思いました。

前田さんの発表を聞いた方から和歌山県の土砂崩れの現場でも同様の組み合わせで管理を行っている事例があるとの発言がありました。

ところで小山町では最新型のドローンを2機購入する予定だということです。前田課長の個人的な努力を町として認知したことになります。

何から何まで小山町は好循環のサイクルにあると思います。やはりリーダーがその流れの源なのでしょう。他の自治体のトップは大いに学んでほしいです。