秘密保護法の本質は、戦争遂行にあるのではないか。

防衛、外交、スパイ、テロの4分野に関わる特定秘密を指定し漏らした場合は最高10年以内の懲役とする「特定秘密保護法案」が閣議決定されました。

この法案に対し、行政機関の長が恣意的に秘密の範囲を拡大するおそれがあり、国民の知る権利の根幹を揺るがすとして根強い反対もあります。

市民グループが街頭で法案の賛否を市民に問いかける活動をしています。私の知る限りでは圧倒的多数の市民が反対の意思表示をしています。

問題関心がある人が模擬投票をするわけですので、そのまま国民の意思とは受け取れません。しかしそれでも一定の国民の空気を示していると思います。

しかし。私は国民の知る権利の側から秘密保護法案を考えるだけでは本質を見失うと思っています。秘密保護法案の真の意図は別にあるというのが私の見方です。

日本版NSC法案が現在国会で審議中です。この法案と同時に国会で成立させようとしているところに真の意図が隠されていると思います。

総理、官房長官、外務、防衛の4大臣が、国家の安全に関わる重大事態に対処する際の司令塔となることを日本版NSC法案は明確にしています。

国家の安全に関わる最たるものは戦争です。戦争が起こりそうな時には、総理ら4大臣が中心になって情報を管理することにほかなりません。

秘密保護法案とピタリ一致します。戦争にかかわる情報が絶対に漏れないようにするための法案が秘密保護法案だといってもおかしくはないと思います。

日本版NSC法案も秘密保護法案も戦争になるかもしれない事態を想定し今から備えようとしている法案です。ここに本質があると私は睨んでいます。

端的に言えば中国との尖閣をめぐる衝突を想定していると見ています。既にシナリオが考えられていて様々なケースが想定されていると思います。

それが現実になる時に絶対の情報が漏れないようにするためには司令塔の数を絞り、漏れた場合には厳罰に処すと脅す必要があります。

秘密保護法案が成立すれば罰則の懲役10年はいずれ強化されるでしょう。死刑?。徐々に治安維持法の復活が忍び寄っていると見て良いと思います。