泣いて馬謖を斬れない

総務省幹部の接待漬けには驚きました。それ以上に山田真貴子内閣広報官の7万円接待には目をむきました。

ご主人も高級官僚とのことですのでお二人合わせた年収は平均年収の10倍近くになるのではないでしょうか。

それでいて山田さんは、自腹は一切切らずに超豪華夕食をごちそうになっていたのです。

コロナ下で生活に苦しみ自殺者の増加が叫ばれている今日到底容認できる不祥事ではありません。

中曽根内閣当時らつ腕を振るった後藤田正晴さんのような官房長官がいたら即座に首を切ったでしょう。

規律違反に対し示しがつかないからです。しかも山田さんの職種は国民と向き合う広報官です。

庶民が及びもつかない高額な接待を菅総理の長男らから平然と受けているような人物を容認できるでしょうか。

常識で考えればわかるはずです。しかし菅総理は逆に山田さんを擁護する姿勢を示しています。

一都三県以外の緊急事態宣言の解除の記者会見を取り止めました。山田さんがさらされるのを嫌ったのでしょう。

なんとまー、国民感情を感じ取る感性がすっかりさび付いているのかと思うと悲しくなります。

菅総理はたたき上げでごく普通の庶民感情を理解できるのが売りだったのではないでしょうか。

口と本当に思っていることとの間に大きな隔たりがあります。庶民性をだしに使ってます。

山田さんを擁護していても記者会見の場はいずれ来ます。山田さんは記者のきつい質問にさらされます。

内閣記者会の牙を抜かれた記者ばかりではなくフリーランスの記者や外国の記者もいます。

山田さんは、いたたまれない場に座らされることとなります。総理会見どころではないと思います。

近未来の場面が容易に想像できるにもかかわらずなぜ菅総理は守り通せると考えるのでしょうか。

才能を評価して登用し、眼に入れても痛くない存在だったとしても切る時は切るべきです。

このままでは庶民感覚を持っているなどということが嘘っぱちだということがあからさまになるだけです。

菅総理には黒子で動ける人材がいません。この問題の処理は加藤官房長官が負うべきです。

菅総理があえて山田さんを切ったというドラマを演出するのが加藤さんの役回りです。

3月7日に一都三県の緊急事態宣言の期限が来ます。その前には記者会見は必須です。

再延長するならば一都三県の住民に辞を低くし協力をお願いしなければならないのです。

宣言を解除するならばリバウンドを防ぐために感染対策の徹底をこれまたお願いせざるを得ません。

山田広報官の仕切りの中で記者会見し一都三県の住民や国民は納得するでしょうか。しません。

菅総理はメッセージの発信力に大きな課題があります。山田さんを抱えることでさらにその力は減じます。

中国に「泣いて馬謖を斬る」という故事があります。命に従わず敗戦の原因を作った部下の首をはねたのです。

菅総理にかみしめて欲しい言葉です。タイミングを逸すると追い込まれ切らざるを得なくなります。