出でよ!50代の挑戦者
ロック歌手の宮本浩次さんが文化庁から令和2年度の大衆芸能部門の芸術選奨に選ばれました。
社会現象ともなっている「鬼滅の刃」を描いた漫画家の吾峠 呼世晴さんと肩を並べての受賞です。
快挙です。宮本さんを応援しているひとりとして自分事のようにうれしく思いました。
フアンになったのはごく最近です。昨年NHKBSPで宮本さんの歌声を聞いてからです。
大学生の時にあこがれていたアイドルの岩崎宏美さんのロマンスを聴いて衝撃を受けたからです。
ブログでも紹介いたしましたが、これがあのロマンスかと目を丸くしました。一発で虜になりました。
「あなた、お願いよ~」という歌い出しから熱情が画面から外に向かって放たれていました。
宮本さんが53歳の時に独立してソロ活動を始めたことを知りソロのファーストアルバムを購入しました。
宮本さんの心の内がズバリ、タイトルになってました。「独歩」です。ひとりで歩き始めたことを宣言してました。
中国儒教の創始者の孔子は自らの人生を振り返って「50にして天命を知る」と書き残しました。
50歳の時に自分は何をするためにこの世に生を受けたのかを明確に自覚できたということだと思います。
宮本さんはロックバンドエレファントカシマシのボーカルを30年来務めてきて50代にして冒険の旅に出ました。
自分の天命を確認するための挑戦だと私は思います。成功を収めてきた方ですので迷いもあったと思います。
アルバム「独歩」に収められている一曲目にそうした心情を赤裸々に語っている曲が入ってます。
「ハレルヤ」という曲です。歌い出しは「行こうぜベイビーまだ間に合うそんなホットプレイス」。
こんな歌詞が続きます。「やっぱ目指すしかねぇなベイビーこの先にある世界」。
そして「大人になった俺たちゃあ夢なんて口にするのは野暮だけど今だからこそ追いかけられる夢もあるのさ」。
「プリーズ高鳴る胸をかかえてそんな俺にもう一丁祝福あれ(中略)ああ涙ぢゃなく勇気とともにあれハレルヤ」
宮本さんの迷いを乗り越えた決意がほとばしっているような歌詞です。さっそうとして心地よいです。
私の個人的見解であることをお許しください。私には現在の50代はどこかひ弱に見えるところがあります。
日本経済が絶好調だったころに青春時代を過ごし就職もえり好みしさえしなければ心配なかった世代です。
スマートなタイプが多く、合理性を大切にして根性論とか意気に感じての行動は苦手な方だと思います。
そうした先入観を持っている私にとって宮本さんの50代の挑戦はとても新鮮に映りました。
50代にもこうした冒険者がいるんだと思ってうれしくなりました。計算づくでないところが良いです。
合理的な判断で身を処したほうが確かに安全です。でもそれでは一度限りの人生、満足して終えられるか疑問です。
50代は社会の中核です。その世代が、冒険に乗り出したら素晴らしい日本の未来が待っているはずです。