みんなで学ぶ『富士山と酒匂川』

昨日午後、足柄の歴史再発見クラブの編集会議がありました。3時間ほど時間がかかりました。

足柄の歴史再発見クラブは、ふるさとの災害の歴史を見つめ直し地域貢献することを目指してきました。

富士山噴火から300年の節目の年の2007年に足柄歴史新聞『富士山と酒匂川』を刊行しました。

刊行後、酒匂川流域で集中豪雨が相次いで発生し氾濫一歩手前まで行く事態となりました。

2019年に現代の災害も加え『新編 富士山と酒匂川』を刊行しました。写真と図表の充実を図りました。

開成町内の小学校などで2冊を教材にし出前授業を展開することをクラブの活動の柱としてきました。

子供たちと一緒に酒匂川の治水の難所に出かけて過去の大きな被害を伝える取り組みは楽しいものです。

対象は小学4年生です。歴史を学ぶと自分たちの意見も湧いてきてどんな対策を取るべきか発表会もありました。

治水のポイントを楽しく回るためスタンプラリーをしたらどうかという子供らしい発想もありました。

川底を掘って深くしてとり出した土砂を土手に持って強固にしたらどうかという本格的提案もありました。

クラブの最長老の佐久間俊治さんより外国人の方々も学べるように外国語訳を付けたらとの意見が出ました。

素晴らしいアイデアだと思い新編の刊行後、英訳と中国語訳に早速取り掛かりました。

昨日の編集会議に原案が提出されました。1年半ほどでできました。スピード感あふれます。

理由があります。佐久間ファミリーの大活躍です。英訳は佐久間さんのご長男が一手に引き受けました。

金融業界で長く働きロンドン勤務など海外経験も豊富で英語はお手の物です。猛スピードで英訳が届きました。

お嬢さんも美大出身とのことで挿絵の作成のお手伝いをされました。佐久間ファミリーのおかげです。

編集作業を一手に引き受けたのはクラブで出前授業活動の中心となっている大井みちさんでした。

編集は骨の折れる作業が続きます。元開成小学校の先生ですのでこうした編集作業に慣れています。

問題は中国語訳でした。東京で株式関係の仕事をしている会員がいて中国語に精通している方にお願い出来ました。

出来上がった中国語訳は中国語に堪能な高校教師に校正してもらうこともできました。

クラブのネットワークが活きました。町民限定とかの壁を作らずに広くメンバーを募ったことが功を奏しました。

最後に問題となったのはタイトルでした。当初は、外国人のための『富士山と酒匂川』でした。

これですと外国人限定のような印象を与えてしまいます。編集会議で知恵を絞りました。

その結果、みんなで学ぶ『富士山と酒匂川』となりました。日本人も外国人も仲間という発想です。

手に取った人に日本のシンボル富士山は活火山で噴火することがあり洪水も引き起こすことを知って欲しいです。

日本人と外国人の分け隔てなくみんなで学ぶ『富士山と酒匂川』を使って災害の歴史を知り備えて欲しいです。