小都市こそまるごと未来都市へ挑戦を

昨日のブログで政府が進めている「スーパーシティー」構想への懸念を述べました。

私は、この手の取り組みについては問題があってもやってみないとわからないと積極的でした。

しかしまるごと未来都市を目指すために国家戦略特区を応用するとなると実現への道筋が心配です。

日本の衰退傾向の流れを止めて反転攻勢をかけたいという政府の意図は十二分に理解します。

それでも懸念を払しょくすることができません。中途半端な取り組みが全国に拡散する恐れがあります。

まるごと未来都市という目標が言い得て妙なのですが具体像が解ったようでわからないのです。

政府も概念を固めきれていません。壮大な社会実験的なプロジェクトだと言って良いです。

小田原市が応募の準備を進めているとのことですが昨日の述べたようによほど詰めて取り掛からないと混乱します。

橋とか建物とか建築物を建造することが決まっていてそれに対する補助を求めるのとは次元が異なります。

政府の呼びかけ通りに解釈すればデジタル革命の成果を全面展開し未来の小田原市を創造しようというのです。

すごいことです。しかしまるごととは逆に言えばすべての分野を網羅することで実際に行うのはひどく困難です。

未来都市へと近づくプロセスをち密に練り上げ市民に示す作業を同時並行で徹底しないと理解が得られません。

防災とか医療とか環境とか教育とか各分野によって未来都市の創り方は異なるからです。

全てを総合する構想が見えないと市民は未来都市、すなわちスーパーシティのイメージをつかめません。

本来ならどこか地域を限定して特に集中して取り組む分野も決めて取り掛かる方が理解しやすいです。

人口19万人の小田原規模の都市だと地域や分野を決めるのが逆に難しくなる可能性があります。

もっと小さな都市の方がやりやすいと思えてなりません。隣接する南足柄市に手を挙げて欲しいです。

南足柄市は小田原市との合併論議を中途で止めました。自立の道を探らざるを得ません。

「スーパーシティー」構想を自立のための手段として位置づければ市民に対する大義名分が立ちます。

人口4万余りの小都市だけで挑戦するのは困難ということであれば開成町を始め近隣を巻き込んでの提案があります。

広域連携でまるごと未来都市に挑戦するのです。全国的にまれな手法で注目を集めるのではないでしょうか。

デジタル革命の成果は地方の隅々にまで行き渡らせることが本来ですので首都圏の西端地域の挑戦は意義あります。

南足柄市は広大な企業誘致計画予定地を持っていますが未着手です。中核的な医療施設もありません。

財政難のため公共施設の統廃合が待ったなしの状況となっています。まるごと未来都市の動きを活用すべきです。

小都市の悩みの種であるマンパワーが心配ならば神奈川県の全面的後押しを求めれば良いのです。

足柄地域北部に勢い注ぎ込む強力な手段です。第1次の募集に間に合わなくとも挑戦して欲しいです。