原点力
今年の日本プロ野球の最大の話題は田中将大投手の楽天復帰です。マー君のメジャーで培った力を見たいです。
NHKBSPで田中投手を育てた野村克也元楽天監督と田中投手へのインタビュー番組が放送されました。
2019年6月放送番組の再放送でした。今は亡き野村さんが例によって含蓄のある言葉を発してました。
印象に残ったのは、苦しい時に原点に戻る力のことでした。原点力と言われてました。
野村さんの言葉は具体的でかつ明確です。投手にとっての命綱はアウトコース低めだということです。
そこに力のある球を投げ込むことができるようになることが原点力です。苦しい時にはアウトコース低めです。
田中投手は楽天時代に野村監督のいう原点力そのものの投球でピンチをしのいだことがあります。
しかしニューヨークヤンキースに入団し野村さんの言う原点力だけではない気づきがあったようです。
メジャーではアウトコース低めだけでは確実に抑え込めないという体験があったのだと思います。
これに対し野村さんは「そうかな~、まだ甘いからじゃないのか」と首を傾げていました。
メジャーの名バッターは、アウトコース低めでも長い腕を活かして掬い上げる能力があるのだと思います。
コントロール良く投げ込むだけでは打たれてしまうのでもう一段打者をうならせる策が必要なのでしょう。
野村さんが教え込んだ原点を田中投手が独自に磨き上げた自前の原点が何かを今シーズン見れそうです。
いざという時は原点に戻れる力を身に着けておくということは野球に限った話ではありません。
人生全般に通用する話しです。各人の生き様を律する上でカギを握る言葉だと思います。
まず、それぞれ原点を持っていないと人生が揺らぎ続けてしまうことは感覚的に理解できます。
人生が順風満帆の時は気づきませんがひとたび逆境に陥った時に原点があるかどうか重大です。
私は2011年4月の県知事選挙から衆議院選挙、参議院選挙と立て続けに大きな選挙3連敗しました。
カネも使い果たし職もなくなり、人生の窮地に陥った訳です。支えは自分の意思だけだと心底思いました。
こういった局面で強いのは宗教を持っている人です。宗教にすがることで窮地を脱する方は多いと思います。
私のように特定宗教に肩入れしていない者は危機です。奔流に押し流されてしまう恐怖がありました。
原点としたのは自分自身でした。この世に生を受けた意味を考え直し投げやりな態度には陥らずに済みました。
一般の方から見れば狂気の沙汰のような挑戦を続けて敗れ大地に放り出されてしまったようなものです。
そこから立ち上がって地域と日本に貢献する道を歩むためにこの世に生を受けたと思い込みました。
人は考えようでいかようにも対応できるものです。逆境状況がさして苦に思えなくなるから不思議です。
現在コロナで苦境に立たされている方は多いと思います。自分がなぜ生まれてきたか問い直し踏ん張って欲しいです。