たたき上げ外交成るか

菅総理とアメリカのバイデン大統領との日米首脳会談が来月前半にも行われると伝えられます。

アメリカとしては台頭する中国を抑え込む同盟国として日本は欠かせない存在です。

日本は日米同盟が基軸であることは一貫してます。改めて再確認することになるのでしょう。

しかし今回の日米首脳会談は既存路線をなぞるだけではなくそれ以上の重要な意味合いがあります。

両国とも新型コロナという厄介な敵と戦っています。アメリカは最大の感染国の汚名が付きまとってます。

日本は東京オリパラを控えて新型コロナを押さえこめません。開催できるかどうか瀬戸際です。

こうした中で両国トップが会談することは当面の最強の難敵新型コロナに対し共同戦線を張ることの確認があります。

東京オリパラ開催についても水面下で話し合われることと思います。開催できるかを決める会談だと思います。

もうひとつの難敵は言うまでもなく中国です。アメリカにとって最強の覇権国の地位を脅かすことは容認できません。

日本も尖閣諸島の領有問題を抱えています。中国を嫌悪する世論は強固なものがあります。

中国に対し日米が共同戦線を張ることは双方の政権基盤を強固にする意義があり思惑は一致しています。

以上のような客観情勢は外務官僚が熟知していて菅総理向けの台本を書きあげることでしょう。

しかし両国の首脳が直接顔を合わせることは官僚の台本に沿って踊ることだけを意味しません。

双方の国を率いるトップとしての存在感を見せ双方の国柄を世界に示す機会でもあります。

特に外交経験が乏しい菅総理にとって、どのように踊るかによって評価が定まる試練の舞台です。

自らの言葉で日本の立場と日本人の誇りを語りバイデン大統領とその背後にいるアメリカ国民に存在感を示せるかです。

官僚の作文を読むぐらいならばリモート会談で十分です。直接会っただけの意義を示して欲しいです。

菅総理はたたき上げを売りにしています。政治的貴族の家柄ではありません。カッコつけないで欲しいです。

たたき上げは恥ではありません。たたき上げでもトップになれる国であることに誇りと自信を持って欲しいです。

自らの出自を述べ政治信条をはっきりと示すことがバイデン大統領らに一目置かせることになると思います。

1994年7月のイタリアのナポリサミット前に開かれた日米首脳会談が参考になると思います。

ひょうたんから駒のような形で社会党の村山富市政権が誕生し就任直後にサミットがありました。

村山総理は自らの出自と政治的来歴をクリントン大統領に率直に語りハートをつかんだと言われます。

菅総理も田舎から集団就職で上京し苦学して政治家の秘書となり下積みを経て今日があることを語って欲しいです。

日本が自由と民主主義の国であることのひとつの証しだからです。その制度を注入したのはアメリカです。

アメリカの自由と民主主義のおかげで総理になれたぐらいかまして相手を驚かせて欲しいです。

 

 

 

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