月が綺麗ですね

昨夕テレビを見てましたら緊急地震速報が出てしばらくして自宅の母屋が少し横揺れしました。

築200年越えの家ですので地震が来るたびに家が沈んだりゆがんだりするのが気がかりです。

大黒柱は石の上に乗っているだけで8センチほど下がってます。1923年の関東大震災の影響です。

小学一年生の一番上のお兄ちゃんが母屋の玄関に来て「津波来ないかな~」と心配そうな声でした。

「こんなところまで来ないから大丈夫だよ」と返事しました。両親が不在で心細かったみたいです。

宮城県沖が震源地で震度5強とのことでした。大きな被害は出ませんでしたがこのところ地震が続き心配です。

今はお彼岸の真っ盛り、今日はお中日です。昨日首を長くして待っていた品物が届きました。

わが家の田んぼで収穫された酒米で作った搾りたてのお酒です。「月が綺麗ですね」という名前でした。

仏壇に一本供え父に報告しました。酒米の作り手の方が父と特別な因縁のある家の方だからです。

父は私が小学1年生の時に町長に初当選しました。町会議員1期目の途中で出馬しました。

最初の選挙は町会議員選挙でした。この選挙は父にとって苦い思いを消すことができない選挙でした。

当時40代で血気盛んな父はすでに地域から押されていた候補者がいたのにもかかわらず出馬しました。

父は上位当選を果たしたものの当初から出馬予定だった方は落選してしまったのです。

実は現在私の家の水田を面倒見てくれている農家の方はその落選した方のお孫さんです。

バリバリの専業農家で我が家の水田で山田錦という高品質の酒米づくりに挑戦しています。

背が高い銘柄なので根をしっかり張らせ倒れないようにしなければなりません。水管理が決め手です。

朝早くから田んぼの周囲を熱心に見回っている姿を連日見ました。丹精込めてとの言葉そのものでした。

その山田錦で作ったのが「月が綺麗ですね」となったのです。ちょっとした物語です。

しかもお酒を造ったのは39年ぶりに酒造りを再開した瀬戸酒造ということなのでさらに感慨深いです。

仏壇の前で父に酒ができるまでの物語を報告しました。天上で御礼を言って欲しいとお願いしました。

地上では新型コロナでお花見はままなりませんが天上は関係ありません。杯を傾けているに違いありません。

瀬戸酒造では銘柄ごとに落語を創作してアイドル達が落語を高座で演じるというユニークな宣伝を行ってます。

「月が綺麗ですね」も既に落語が出来てます。80歳の老夫婦の物語の落語となってます。

けんかの絶えないすれ違い夫婦です。「月が綺麗でしたよ?」「いや、曇ってるけど」

2人に愛はあるのかないのか…。身につまされるような創作落語です。ぜひ高座で聞いてみたいです。

瀬戸酒造が酒造りを再開したことで地元産の酒米だけでお酒が造れる可能性が出てきました。

わが家の田んぼで山田錦を作っている農家は燃えてます。入念に田起こしを始めてます。今年も楽しみです。

 

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