古本屋さんが息づくまちづくり

古書店街と言えば、東京・神田です。本好きにとっては街並みの空気感がたまりません。

店先に並んだ廉価本のワゴンを見て回るのが何よりの楽しみです。手に取って頁をめくって。

一冊100円、高くても500円まで。読みたいと思った本が見つかった時は快哉を叫んでしまいます。

新型コロナのため東京に行く機会がなくなり至上の楽しみの時間が取れないのが残念です。

古本屋さんがお隣の南足柄市にできたと最近知りました。大雄山線の終点の大雄山駅のま近だということです。

小田原の女性史研究家の宇佐美ミサ子さんの書籍類の整理が最終版を迎えていることはブログで紹介しました。

保存したほうが適当な書籍類は私の自宅に移動させるため我が家の部屋の改造を計画中でした。

母屋は築200年以上の住宅なので床を取ってコンクリートで一部基礎を作らないと重みに耐えらないということです。

ちょっとしたリフォーム工事になってしまうけど仕方ないと覚悟を決めていたところ救世主が現れました。

大雄山駅近にできた「中島古書店」さんです。原則として全て引き取りますというのです。

いっしょに資料整理をしている足柄の歴史再発見クラブ副会長の関口康弘さんの紹介です。

昨日古本屋さんが下見に来ました。若い店主なので驚きました。ベテランの方だと勝手に思い込んでました。

川崎から移ってきたということで家賃が安いのが魅力だというのです。地方の強みが出ました。

若い店主なのでネット販売は得意なのでしょう。ネットがあれば大都市でなくても商売はできるということです。

本の売れ行きが芳しくないことは言われ続けています。新刊本だけでなく古本も同様です。

宇佐美さんが保管していた著名な作家の全集類も別の古本屋さんに問い合わせたところ引き取りませんでした。

歴史関係でも自治体史は売れないということでした。昨日聞いたところやはりそうでした。

旧家の古文書など希少資料は高値でやり取りされるがそうでないものは動かないというのです。

古本業界も本離れ現象かとさみしくなりました。でも若い店主の古本屋さんの進出はうれしい限りです。

店の場所が曹洞宗の名刹の大雄山最乗寺の近くですので最乗寺関係の古書を集めるのも一案ではないでしょうか。

地域の郷土史研究者たちの最乗寺研究の拠点になれれば希少な資料も見つかりやすいかもしれません。

最乗寺に限らず地域の歴史関係の書籍に狙いを定めるのは特色を出す妙案だと思います。

例えば南足柄市に本社があった富士フイルムの歴史とかです。企業と地域の発展の関係は興味深いです。

古書店が中心となって地域史研究が盛んになる可能性が広がると思うとわくわくします。

足柄の歴史再発見クラブもお手伝いできればと思いました。若者が立ち上げた古書店、応援します。

中島古書店 南足柄市関本561-6西本ビル2F 0465-20-4266

E-Mail:nakajimakoshoten@gmail.com