一家に一冊『富士山と酒匂川』!

富士山噴火の溶岩流が酒匂川流域に押し寄せるとの予測が公表され地域住民の関心が高まると思います。

富士山噴火について住民自ら学ぶ機会を増やすことが大切です。格好の参考書があります。

足柄の歴史再発見クラブが刊行した2冊の冊子です。100頁以上ありますので書籍といった方が適当です。

2007年刊行の『足柄歴史新聞 富士山と酒匂川』、2019年刊行の『新編 富士山と酒匂川』です。

前者は、歴史新聞風にテーマを決めて富士山の成り立ちと災害の歴史を解説したものです。

絵画や写真、図表がふんだんに掲載されていてわかりやすいです。小学生向きを意識した編集です。

クラブではこの冊子に基づいて小学校などで出前授業を展開しました。酒匂川の現場見学も行いました。

後者は、『足柄歴史新聞 富士山と酒匂川』の刊行以降大きな水害が発生したことを受けて刊行しました。

近現代の酒匂川の洪水の歴史を解説する頁を分厚くしました。頻発する豪雨災害を意識しました。

2010年9月の台風9号による集中豪雨は酒匂川の水源地域で一日500ミリ近くに達しました。

山中に堆積していたスコリアと言われる富士山噴火時の砂が大量に酒匂川流域に流れ込みました。

中下流部に黒い砂が堆積し、1707年の宝永噴火がいまだ続いているのではないかと思わせました。

もう一冊、刊行の準備が進められている冊子があります。『みんなで学ぶ 富士山と酒匂川』です。

これまで刊行した2冊の冊子の中から重要なテーマを選び出して英語と中国語の訳をつけたものです。

最も手軽で最もわかりやすい内容となってます。外国人も読めますし日本人の外国語の勉強にもなります。

編集作業はほぼ完了し5月には刊行できる段取りとなってますのでタイミングが良かったです。

クラブの宣伝めいてしまって恐縮ですが上記の3冊をぜひ揃えて富士山について学んで欲しいです。

溶岩流が押し寄せるという想定外の予測が発表されたからと言って、その一点に関心を集中するのは誤りです。

溶岩流が酒匂川流域にまで押し寄せるケースは、恐らく可能性は最も低いケースだと思われます。

歴史的事実として記録として残っている火山砂や火山灰による噴火災害やそれに伴う洪水を忘れてはなりません。

その延長線上に溶岩流への備えがあります。幅広い視点から富士山噴火の歴史を検証し対応することが大切です。

そうした取り組みをする際に足柄の歴史再発見クラブの刊行積みの2冊の冊子ほど適当なガイドブックはありません。

新たに刊行されるもう一冊まで含めて3冊各家庭で揃えて学んでいただければ場と願ってます。

独学はしんどいですのでグループで学びたいというのであればいつでもクラブのメンバーがお手伝いします。

小学校での出前授業で鍛えているので子供向けの学習にも対応できますので声をかけて欲しいです。

溶岩流の新予測はクラブの活動の意義を一段と高める端緒となります。会員一同頑張ります。