続・菅総理は「泥をかぶれる」政治家になれるか

池江璃花子さんの日本選手権での復活のドラマをどう表現すればよいか当てはまる言葉が見つかりません。

奇跡…驚異…。どれもこれも池江さんの努力を表すのに足りないという感じがつきまといます。

大会後の池江さんは冷静でした。オリパラ開催に不安を持っている人が存在することを受け止めていました。

開催できない場合はそうした事態を受け止め次に向けて努力する考えを示していたのには驚きました。

NHKの最新の世論調査でも30パーセントを超える人が中止すべきと答えています。開催への不信感は根強いです。

菅総理が泥をかぶらなければならないとするとできれば避けたい案件の一番手は東京オリパラの中止だと思います。

しかし新型コロナの行方次第では予断を許さない状況となっていることは誰もが認めることだと思います。

第4波の襲来ではないかとみられる現状が更に悪化し3度目の緊急事態宣言が発せられたらこれは厳しいです。

世界で2億人がワクチン接種を受け日本はわずか0.4%です。どんなに急いでもオリンピックに間に合いません。

海外からの観客はなしとはいうものの選手団と関係者だけでもコロナ下での受け入れは超難問のはずです。

政府は東京オリパラは是が非でも開催するという意志だけは再三にわたって表明しています。

国際オリンピック委員会も思いは同じだと必ず付け加えてます。それでも新型コロナウィルスは容赦ないです。

コロナ対策とオリパラ開催の二兎を追ったつけが出てます。コロナ対策が不徹底だったと言わざるを得ません。

オリパラ開催が悲願であるとしながらもそれに相応しいコロナ対策が断行できなかった結果が出たと言えます。

開催できると確信があるのであればどういった条件が満たされているから大丈夫だと情報を提示すべきです。

デリケートな問題だからと情報公開を避けていれば国民の疑心暗義は深まるだけだと思います。

現状は、国挙げて開催を歓迎するムードではありません。この空気感をさらに悪化させます。

丸川担当大臣やオリパラの橋本会長に任せるのではなく国家のトップである菅総理の出番が近づいてます。

開催できない場合は自らが全責任を背負うと明言して対応に当たることが「泥をかぶれる」政治家への第一歩です。

じたばたしたところでワクチンが間に合わずコロナの制御が完全にできない以上手の打ちようがありません。

運を天に任せ開催ありきで突っ走るのは余りに無謀です。中止の可能性があることを表明すべきです。

なぜ自分がとんでもない貧乏くじを引かなければならないのかと暗たんたる気持ちになることでしょう。

これこそめぐり合わせだと覚悟を決めるべきです。楽観的に考えていれば改善する問題ではありません。

スポーツに政治を持ち込んだ結果ではありません。パンデミックによる悲劇として受け止めざるを得ません。

日本という国と国民の試練だとして協力を呼び掛けてこそ「泥をかぶれる」総理として名を残す道です。