続々・分娩廃止は納得できない!

横浜市、川崎市、相模原市の3市に新型コロナのまん延防止措置が適用されることが決まりました。

神奈川県の黒岩知事の言動は措置の適用に消極的ではないかと受け止められた可能性があります。

黒岩知事は感染者数が200人程度になったら「まんぼう」を要請したいとの考えを表明してました。

この構えが後ろ向きです。200人までならば良いと思ってしまい感染防止にゆるみが生じます。

お隣の東京都は「まん防」に指定され感染者数増加のベクトルに改善に兆しはありませんでした。

感染者数増加の方向性や変異株への対応も考慮すれば200人まで待つ姿勢には疑問が残ります。

黒岩知事の姿勢で今回の「まん防」対応以上に疑問が残るのは県立足柄上病院の分娩廃止の決定です。

神奈川県西部地域は人口減に苦しんでいます。出産する場所の確保は人口対策の肝の政策です。

コロナの影響で人口減少の傾向にさらに拍車がかかる恐れも十分予想されます。一大事です。

黒岩知事が認識していないはずはありません。このタイミングで県立病院の分娩廃止でしょうか。

コロナの影響が出産者数にどのような影響をもたらすか状況を良く見極めることが最低限必要です。

今回の決定は足柄上地域の周産期医療の切り捨てと言ってもおかしくありません。一方的過ぎます。

県の財政上の都合、病院の効率運営に重点を置いた判断だと思います。数字だけの冷たい判断です。

黒岩知事の看板政策は「未病」対策です。病気にならない段階をさす東洋医学の用語を医療政策に応用しました。

言葉からは元気で長生き政策に見えますが実際の政策展開は極めてあいまいで理解が難しいです。

足柄上地域には未病対策の拠点施設である「ビオトピア」があります。東名高速大井・松田インター近くです。

第一生命の大井本社ビルをネットを活用したコーヒー販売会社が買収し建物を改造し再利用してます。

県が直接設置した未病コーナーのほか民間企業が運営する安全にこだわったレストランなどがあります。

未病対策は医療政策の一環なのか経済振興を目指した観光政策に重きを置いているのか不透明です。

2018年4月「ビオトピア」の開所式で県議会議長が「未病」という「微妙」な政策とあいさつの中で述べました。

言い得て妙だと感心しました。何を目指しているのか焦点がぼけてしまっている現状をチクリと刺した表現です。

新型コロナは「微妙」な「未病」政策の再検討を迫ってます。県が果たす役割は何かをはっきりさせないとなりません。

経済対策なのか医療政策なのかあいまいな「未病」対策を続けている余裕は県にないと思います。

新型コロナは県の現状の医療体制では感染症に迅速に対応できないことを明るみに出しました。

アフターコロナの時代をも見据え、脆弱性が明るみに出た「医療」の充実に集中することが県の役割です。

「未病」より「医療」へと舵を切る時期です。県立足柄上病院の分娩再開は政策転換の象徴となります。