湯河原町議土屋由希子さんの闘い第二ラウンド

神奈川県湯河原町の新人女性町議土屋由希子さんが先週14日新たなステージに立ちました。

町議会から受けた処分の取り消しを求めて裁判を起こし自ら訴訟を起こした理由を述べました。

横浜地裁で開かれた土屋さんの口頭弁論は傍聴できませんでしたがその後の報告会には顔を出せました。

私が土屋さんの直接聞きたかったことはただひとつです。何のために裁判するのかです。

町税の滞納者リストを町議会に提供するのは個人情報保護に反すると土屋さんは問題提起しました。

これが町議会からの反発を招き土屋さんは9月の議会で1日出席停止の懲罰を受けることになりました。

更に町議会は、議会公報で土屋さんが非を認めたかのような事実に反する記事を掲載し配布しました。

一連の町議会の対応に対し土屋さんは処分の取り消しなどを求めて裁判という手段に打って出ました。

最高裁判所で地方議員に対する懲罰も裁判の対象になるとの初めての判断が示されタイミングが合いました。

これまでは地方議会内のことは議会の裁量に任されており訴訟にはなじまないというのが裁判所の判断でした。

土屋さんの訴訟は、最高裁の新たな判例が出て最初の裁判で全国的にも注目されているとのことです。

私は土屋さんが起こした訴訟が法律的にどのような内容の争いとなるかがいちばんの関心事ではありません。

土屋さんが裁判という手段を使って湯河原町民に対し何を訴えようとしているのかに主たる関心があります。

冒頭に述べた何のために裁判をするのかということです。土屋さんの意思は、はっきりしてました。

湯河原町民のための戦いであると明快でした。原点が明快だと迷いがなくなり力強さが増します。

滞納者リストの議員への提供は湯河原町民の権利を損なうのではないかという素朴な疑問からの行動でした。

町民の権利を守る視点から土屋さんにとって常識的な指摘をしたら懲罰になってしまったのです。

湯河原町議会の振る舞いに不信感を抱きこのままでは町議会はまっとうに機能しないと決心したのだと思います。

裁判という手段を通じて湯河原町議会で実際に起きたことを町民に示し町民に考えてもらいたいのです。

土屋さんからは懲罰に対し怨念を晴らすという個人的な感情はみじんも感じ取れませんでした。

土屋さんの報告集会の話しを伺っていてこれなら裁判は闘い抜けると確信を持ちました。

どんなに正当な理由があっても私憤では限界があります。個人の立場を超えた何らかの理由が断じて必要です。

土屋さんは湯河原町議会の不条理を問題提起する手段として自らへの懲罰の是非をあえて裁判沙汰にしたのです。

私的な憤りを超えた法廷闘争と言えます。この原点に揺らがなければ自ずと町民の理解は広がるはずです。

土屋さんにとっての主戦場は法廷ではなく湯河原町内にあると思います。裁判はあくまでも手段です。

湯河原町内に町を変える機運を喚起できるかが勝負だと思います。新たな闘いが始まりました。