日米首脳会談
17日の土曜日の早朝6時前テレビをつけるとちょうど日米首脳の記者会見が始まるところでした。
菅総理の発言の番になると下を向き原稿を読み出したのを見て自分事のようにマズいと焦りました。
しばらくして顔を上げほっとしました。日本国の総理が原稿を読むだけだとするとみっともないです。
理想的にはジョークが大好きなアメリカですから軽口のひとつでも記者団に向けて発せられれば良かったです。
しかし菅総理の最も苦手な分野ですので下を向きっぱなしではなかっただけでも良しとしなければなりません。
首脳会談の成果は明らかにありました。今後の日本外交の基本指針が固まった意義は大きいです。
日本の目指すべき方向は、アメリカのポチにならない、中国の食い物にならない。ロシアに騙されないです。
かつての政界の暴れん坊、亀井静香さんの言葉です。私はこれほどわかりやすく述べた外交指針はないと思います。
三つの「ない」は全て同等ではありません。時々の国際環境によって力点の置き方に違いが出ます。
私の予測ではこれから30年は「中国の食い物にならない」が日本にとって最重要の指針となります。
中国が2049年の中華人民共和国建国100年に向けて「偉大なる中国の復権」を掲げているからです。
経済大国として覇権主義的傾向を強めてきている中国の野望を阻止しなければなりません。
日米同盟の強化は必然の流れです。最新のNHK世論調査でも7割が日米同盟強化を支持してます。
アメリカとの同盟強化は自動的にロシアとも一定の距離感を保つことにつながります。
米ロ関係も決して順調ではないので日本としては二兎を追わずにアメリカとの関係を重視で臨むことになります。
衰退国家となり自力で航行することが不可能になっている日本丸にとってわかりやすは朗報です。
台湾海峡の平和と安定に共同声明で言及したことは1969年の佐藤・ニクソン共同声明以来です。
但し1971年にニクソン大統領は電撃訪中して日本ははしごを外された歴史を忘れてはなりません。
2度と同じ轍を踏まないように日本は主体的にならなければなりません。アメリカのぽちではないのです。
日米同盟は目的ではありません。衰退国家日本が中国の食い物とならなための防波堤です。
台湾に言及したことは台湾が中国に侵攻されることは明日は我が身と認識したからにほかなりません。
アメリカのためでも台湾のためでもなく日本の安全のために必要だと判断したのでなければなりません。
1972年の日中共同声明の中の台湾問題に対する日本の基本認識をもう一度再認識すべきです。
中国と台湾の関係は平和的な話し合いで解決するという原則を貫く姿勢を堅持することだったはずです。
中国が武力で台湾を攻め統一しようとしても内政干渉を盾にものを言わさないような姿勢は容認できません。
こんなことを許してしまっては香港の次は台湾、その次は沖縄だということが現実となってしまいます。