コロナ下で聴くベートーベンと中島みゆき

今日から3度目の緊急事態宣言です。私の住む神奈川県の西の端は関係ないと思っていたら飛び火してきました。

神奈川大学が全学急きょ臨時休講となりました。東京から通学や通勤する学生や先生が相当数いるからです。

私の講義はこうした事態にも対応できるよう完全リモートのオンライン講義で計画しています。

大学側にオンライン講義は問題ないのではと抗議したら全学一斉だと聞いてもらえませんでした。

連休明けの講義からはオンラインならば可能となるとのことです。せっかく準備したのにとイラつきました。

ざわついた心を癒してくれるのは音楽がいちばんです。ベートーベンと中島みゆきさんにどっぷりつかってます。

昨年がベートーベン生誕250年の節目の年で特番をNHKで盛んに放送していたことが引き金になりました。

苦悩を乗り越え歓喜を表現していることは人類への賛歌そのものだと魂がふるえる感慨を覚えました。

それ以来ベートーベンの交響曲を聴くのがルーティーンになってます。田園と名付けられた6番は朝に合います。

私の家の周りには水田があります。田園風景が残ってます。6番はいっそう心にしみわたります。

ベートーベンが目の当たりにした田園の澄み渡る空気、鳥のさえずり、雷鳴が真実として感じ取れます。

大自然の背後にある神の声が聞こえてくるようです。神の声だから何度聴いても飽きないのだと思います。

中島みゆきさんはロックミュージシャンの宮本浩次さんがカバーした「化粧」という曲を聞きスイッチが入りました。

宮本さんが中島さんのことを本当に好きになって惚れてしまったとテレビで話しているのを聞きました。

ここから中島みゆき漬けの日々です。ほぼ毎日聴くようになりました。やはり飽きません。

聴かないと一日が終わらない気分です。はまっているのではなく懐かしい響きを追い求めている感じです。

中島さんの曲のメロディー、そして歌声はベートーベンと同じく魂を揺さぶるのです。

中島さんは1975年デビューです。私が大学に入った年ですので少しお姉さんの世代です。

「アザミ嬢のララバイ」「わかれうた」「時代」「悪女」「糸」「ファイト」「地上の星」。

名曲が蘇ってきました。新たに知った曲もあります。「あした」はそうした一曲です。

「抱きしめれば2人はなお遠くになるみたい 許しあ合えば2人はまだ分からなくなるみたいだ」

矛盾した思いを巧みに表現する力に感嘆します。「誕生」の歌詞にもはっとさせられました。

「ひとりでも私は生きられるけどでも誰かとならば人生ははるかに違う強気で強気で生きている人ほどささいな寂しさでつまづくものよ」

詩人中島みゆきの描写に酔ってしまいます。歌手中島みゆきの情念を込めた節回しに圧倒されます。

前を向いていきましょうと時にはやさしく時には力強く背中を押してくれる曲ばかりです。

ベートーベンと中島みゆきさん。コロナ下の今こそ聴く曲です。心は癒され元気が湧きます。