新型コロナウィルス対応の政治学87~問題の本質~

東京オリパラを7月末に控えた日本ではついに3度目の緊急事態宣言を4都府県に発することになりました。

政府は25日からゴールデンウィークをはさんで11日までの短期集中で抑え込むとしてます。

強制的に人の流れを止めてしまうロックダウンができない以上実効性には疑問が残ります。

小池都知事は繁華街のネオンを消す要請してます。打つ手がなくなってきていることがわかります。

PCR検査の大幅拡充で無症状感染者を早期に見つけクラスターを抑え込む手法は依然発動されません。

つまるところワクチンしかありません。高齢者への本格接種は6月のことでまだ先です。

昨晩の記者会見での菅総理の表情をテレビで見つめました。これまでより力強い出足でした。

訪米で自信がついたのかと思いました。しかし記者とのやり取りになるといつものしぐさが顔を出しました。

用意した答弁に合わない質問には十分に答えられません。力む場面もありますが的を外してます。

東京オリパラについては総理としての責任を回避するような姿勢をまたも繰り返しました。

国際オリンピック委員会任せは通りません。菅総理は人類がコロナに打ち勝った証にすると意気込んでました。

足元が火事になっているのにオリパラができるのか、できるとしたらその条件は何かは当然の疑問です。

国家の最高責任者として明確に答える責務があります。逃げている場合ではありません。

残念ながら覚悟のほどは伺えませんでした。ここに新型コロナ対応の問題の本質があると見ました。

最高責任者が目下の重要課題について自らの言葉で語れず責任回避してしまっては誰も責任取りません。

記者会見冒頭の菅総理の様子に力強さを感じた私は総理が開き直ったと期待したのですが幻滅にかわりました。

新型コロナがこれほど急速に拡散したのは現代がグローバル時代で大交流時代であることの証です。

その象徴的大イベントである東京オリパラは新型コロナにどう向き合うかの厳しい試練です。

具体の戦略と戦術を用意してコロナと折り合いが付けられることを証明しなければなりません。

ホスト国の最高責任者はその内容をわかりやすく内外に発信することは最低限の役目です。

橋本大臣や小池都知事に任せて自分は頬かむりはできません。それほどの一大事です。

昨晩の菅総理の記者会見は大いに不安を助長させます。日本国の信頼に関わってきそうです。

何度もブログで述べたように新型コロナの抑制と経済の再生の二兎を追う政府の戦略は失敗しました。

オリパラはこの失敗路線の延長線にあります。このウィルスには二兎は追えないと覚悟を決めるべきです。

抑制無くしては経済の再生もオリパラもないのです。財政も含めて全資源を投じてコロナ集中なのです。

その結果、開催できるかどうかかすかに光が灯る程度だと思います。しかし時すでに遅しに見えます。

全てが後手に回ったため間に合いません。間に合うとしたら菅総理の中止の決断だけです。