菅総理中間試験落第、でも代わりがいない

菅総理就任して半年の中間試験の結果が出ました。1不戦敗2敗の全敗となりました。

有権者の判断は総理落第でした。厳しい結果ですので衆議院の解散総選挙という本試験に臨めるか微妙です。

天網恢恢疎(かいかいそ)にして漏らさずという中国の言葉は本当に奥の深い言葉です。

悪事はいつかばれ明るみ出されるという意味です。今回の衆参の補選にそっくりそのまま当てはまります。

不戦敗になった衆議委員北海道2区は菅総理と関係の深い吉川元農林水産大臣の汚職に端を発してます。

参議院広島選挙区は河井案里氏が空前の選挙違反で議員辞職したためです。菅総理は河合氏を強く推してました。

長野選挙区は現職参議院議員だった羽田雄一郎氏が新型コロナで死去したため行われました。

菅総理の新型コロナ対策が十分であったかどうかが有権者の判断のひとつとなったのは間違いありません。

補欠選挙ですので直ちに政局になるということはありません。しかし菅総理に取っては痛撃です。

菅総理の前途は厳しいです。連休明けの11日前には緊急事態宣言を延長するかどうかの判断が待ち受けています。

17日間緊急事態宣言を出しても宣言疲れの国民と危機感を共有して人流を抑え込めるとは思えません。

延長あり得ると既に専門家は指摘しています。宣言が長引けばワクチン接種も遅れているだけに不満は高まります。

それと何と言っても最大のハードル東京オリパラの開催の是非の決断を5月にはしなければなりません。

新型コロナの感染状況と見合いですがワクチンが間に合いませんので極端な改善は見込めません。

6月25日には東京都議選告示が迫ってます。菅総理にとっは断崖絶壁の淵に立たされることになります。

しかし菅総理には運があります。安倍前総理の難病再発という緊急事態で総理の座をつかみました。

現在は僥倖で得た総理の座が揺らいでいる訳ですがまたもや僥倖がついて回ってます。

広島選挙区はポスト菅の有力候補である岸田元政調会長の地元です。岸田氏にとっても敗戦は痛撃です。

いかに逆風であってもおひざ元の選挙区で公認候補を落とすようなことがあっては総理総裁は狙えません。

次の総裁選挙に仮に出馬したとしても選挙に弱いリーダーに政治家は自分の運命を託しません。

岸田氏は事実上総理総裁の道が断たれたと見ます。残るは自民党内の嫌われ者の石破元幹事長となります。

菅総理に代えて石破氏をという動きは起きません。菅総理は奇妙な安定政権となりうる可能性があります。

しかし菅総理を次の総選挙の顔とは考えていないでしょう。政治家にとって選挙は生命線だからです。

菅総理は党内の空気を読み開き直ることしか道はないと思います。開き直るとは首を差し出す覚悟です。

日米同盟の強化という路線は引けました。残された課題は東京オリパラの中止決断です。

新型コロナの収束ため苦渋の決断です。中止決断と引き換えに任期前に総理の座を譲れば菅総理は男になれます。